20日に投開票された奈良市議選(定数39)で、当選した無所属新人の動画配信業・へずまりゅう氏(34)が一夜明けた21日、政治家としての抱負を語った。8320票を得て、39人中3位。今回、最年少での当選だ。 【写真】選挙戦を戦ったインパクト大!の選挙カー 13日の告示日には、トップ当選を誓っていたへずま氏だが「3位でも満足です。奈良の有権者の皆さまに選んでいただいたので、満足しています」と笑顔を見せた。 「実感がまだなくって」と、一睡もせずに奈良市内に姿を見せた。当選が確実になり、すぐに両親に連絡。「『もう悪いことはするな。発言には気をつけろ』というふうに言われまして。自分自身も、そこを一番思っているんですよ。失言だったり、女性のハニートラップにひっかかったりとか。迷惑、炎上、悪いこと。そういうのは一切ないように心がけていこうと思います」と気を引き締めた。 スーツ姿に、選挙カーで市内を回り、奈良公園の鹿の保護や外国人問題、メガソーラー建設反対などを訴えた。2021年の参院山口選挙区補選、23年の東京都豊島区議選に続く3度目の政界挑戦。日焼けした顔が、これまでとは違う本気の選挙活動を物語る。2024年7月から奈良公園で、外国人観光客の鹿への虐待などを守る活動をしてきた。「(有権者からの声で)一番多かったのは、落選しても奈良から離れないでほしい。今やっていることをずっとずっと継続したら、いつかみんな信じてくれる。だからやめないでほしいって言われました」。鹿のパトロール活動は継続。市議の任期は4年だが、その後も奈良市に永住を考えているという。 若年層の知名度、SNSでの拡散力は群を抜くへずま氏。意外だったのは、60~70代の女性からの認知度が高かったことだという。「奈良の鹿さん…動物好きな人が多いんだなと思った。おばあちゃんから『鹿さんしっかり守ってちょうだいよ』っていうので、認知されていた」と振り返った。 「昔はあんまり好きじゃなかったけど、応援してるよとか。話したら全然違うというのも多かった。案外話したら、普通なんやねって言われました」と、かつての「迷惑系YouTuber」のイメージを変えて見せた。 市議として最初に取り組みたい問題として、争点にもした奈良市の水道水源地へのメガソーラー建設問題を挙げた。「けっこう難しい問題なんですけど、メガソーラーパネルで水源地の話です。奈良の景観を守るってことですね。日本の土地を外国人に手放さない、外国からの日本の土地を守る署名活動をしているインフルエンサーと会う約束をしている。水源地だったり、メガソーラーパネルとかの専門家に、奈良のメガソーラーパネルはどうやったら防げるかとか、取り組んでいけたら」と意気込む。選挙運動中に教員からも多く声をかけられたといい、教育問題にも切り込んでいきたいとした。 参院選の裏で、へずま氏当選は大きな話題となった。「SNSの発信が売りとなって、地域活性化につながったり、奈良の魅力を伝えることにつながったら。奈良が爆発的に注目されている。ただ、失言しない、炎上しない、迷惑行為しない心がけ」と、奈良を“トレンド入り”させていきたいという。 鹿のパトロールをする奈良公園に行けば、会える政治家を目指す。「公園に来てもらったら会えるし、困りごとがあったら言ってもらって、一緒に解決する。誰よりも優しく行動力をしっかりと。口だけではなく、行動力を示し、誰もが会える、寄り添える。奈良県民奈良市民の皆さまが、寄り添える政治家になります」と誓った。 へずま氏は「今回、へずまりゅうが当選したことで奈良が終わる、日本が終わるとかそういうマイナスな発言をする人がSNS上にいますが、私は気にしておりません。言われる側よりも、行動する側に回りたいからです」と、ネガティブな声を一蹴する。 「苦しいこと、つらいこと、何か政治家に変えてほしいことがありましたら、奈良公園に来てください。へずまりゅう、解決します」と呼びかけた。 (よろず~ニュース・杉田 康人)