この夏、海外旅行を予定しているという人も多いのではないでしょうか。ワクワクする一方で、現地でのトラブルに想定外のお金がかかったり、帰国後に高額な請求が届いたりと、思わぬ出費の落とし穴が潜んでいることも。 楽しいはずの海外滞在を台無しにしないためには、事前の準備が何よりも大切です。そこで今回は、海外に行く前に必ずやっておきたい「お金の対策」を紹介します。 海外旅行には想定外の出費がつきもの 海外旅行にかかる大きな出費といえば、飛行機代とホテル代。この2つをオンラインで予約して、事前決済が終わったところで「ふぅ、あとは現地での食費と観光代、お土産代さえ準備すれば大丈夫かな」と思う人は少なくないはずです。 でも、海外旅行には想定外の出費がつきもの。どんなに旅慣れていたとしても、最初から想定していた出費だけで収めることは簡単ではありません。 それはすでに料金を支払ったはずの飛行機代でさえ起こります。最近では、「スカイスキャナー」「エアトリ」「Expedia」といった格安航空券の比較サイトを利用する人も増えていますが、こうしたサイトでチケットを購入した場合、預け入れ荷物の料金(場合によっては持ち込みの手荷物も!)が別途かかることがめずらしくありません。こうした場合、実際に空港で荷物を預け入れる際に数千円〜1万円超の追加料金が必要になります。 荷物の数だけでなく、重さやサイズに厳しい制限がある場合も。私の体験談をお話しすると、空港でスーツケースを預けようとしたところ、規定の重量を少しオーバーしてしまっていることが判明。幸いにも預け入れ可能な荷物の数には余裕があったため、急遽、航空会社が支給しているボストンバッグを購入し、一部をそこに詰め替えて預けることに。確か5,000円前後だったかと思いますが想定外の出費となりました。 ホテル代も追加の支払いが発生しがち ホテル代も然りです。近年は、多くの都市で観光税(宿泊税)が導入されています。こうした税金はオンライン予約時の料金に含まれていないことが多く、現地でチェックインやチェックアウト時に支払うことになります。 アメリカやハワイ、東南アジアの一部のリゾートホテルでは、こうした税金とは別にリゾートフィーと呼ばれるホテルの施設利用料が別途かかる場合があります。料金はホテルが独自に設定しており、当日チェックインしようとして初めて金額を知ることになる場合も多いようです。 また、国内のホテルの場合、宿泊料金は税金やサービス料込みで表示されることが多いですが、海外のホテルの場合、これらを含めていない宿泊料金が表示されているのが一般的です。オンラインでホテル選びをする際には、表示されている宿泊料だけではなく、他にどのような料金がかかる可能性があるのかもしっかりチェックした上で最終決定をするようにしましょう。 万が一の際の明暗を分ける海外旅行保険 海外で急な病気や思わぬケガに見舞われた場合、治療費が日本では考えられないくらい高額になることがあります。アメリカでは、風邪をひいてクリニックを受診しただけでも数万円、入院や手術となれば100万円を超えることも。ヨーロッパや東南アジアでも、日本より医療費は少なくありません。 こうした場合に補償を受けられるのが海外旅行保険ですが、海外旅行保険が役に立つのは、病気やケガだけではありません。特に誰にとっても起こり得るのが、スーツケースの破損やロストバゲージ。こちらも私自身の体験になりますが、空港のバゲージクレームで預けていたスーツケースを受け取ろうとしたところ、「トラクターか何かで踏み潰された?」と思うほどバキバキに壊れていました(笑)。当然、そのまま使える状態ではないので、その日のうちに現地のバッグショップで新しいスーツケースを購入。航空会社には一部補償をしてもらいましたが購入代には足りず……。海外旅行保険に加入していたお陰で残りの金額が埋め合わせできました。 「自動付帯」か「利用付帯」かを事前に確認しよう 海外旅行保険は、その都度加入するという方法以外に、クレジットカードに付帯している海外旅行保険を活用するという方法もあります。よほど大きな金額の補償を得たいのでない限りはクレジットカードに付帯している海外旅行保険で十分かとは思いますが、気をつけたいのはその補償条件。 クレジットカード付帯の海外旅行保険には「自動付帯」と「利用付帯」の2種類があり、自動付帯の場合にはそのクレジットカードを持っているだけでよいのですが、利用付帯の場合には航空券代やツアー代など旅行費用の一部をそのクレジットカードで支払っている必要があります。 「クレジットカードに海外旅行保険がついているから大丈夫と思っていたのに、いざ補償を受けようと思ったら使えなかった!」ということにならないように出発前にしっかり確認をしておくことが重要です。 設定を間違うと通信費の請求額が高額に! マップで現在位置や目的地への行き方を調べたり、翻訳したり、レストランやカフェを探したり、調べものをしたり……。旅先で欠かせないのがインターネットとスマホです。でも、使い方や設定を間違えると、帰国後に高額な請求がくる可能性があるので注意しましょう。 特に注意してほしい「データローミング」です。日本の通信会社のまま海外でスマホを使うと、海外でもデータローミングがオンになったままになり、通信費が数日間で数万円になってしまうこともあります。出発前に必ずデータローミングをオフにすることを忘れずに。 海外旅行中に自分のスマホでネットを使いたい場合の選択肢は、大きく分けて「海外SIMを購入する」「日本の通信会社の定額制ローミングプランを申込む」「ポケットWi-Fiを借りる」という3つの選択肢があります。料金が安く、持ち歩きや充電も不要という点から、おすすめは「海外SIMを購入する」ことですが、なるべく安く済ませたいからとデータ容量を少なく見積もるのはあまりおすすめできません。 なぜなら、旅先では地図アプリを普段より頻繁に使うのはもちろん、写真や動画をアップロードしたり、ネット検索をして調べたりすることも増えがちです。追加チャージを繰り返していると結局高くついてしまうことも多いため、少し多めのデータ容量を確保しておくのがおすすめです。 カード決済は“現地通貨”を選ぶのがマスト 海外で買い物や食事をする際、クレジットカードを端末に差し込むと、ときどき、現地通貨で決済するか、日本円で決済するかという選択肢が表示されます。 一見、日本円での支払いのほうがわかりやすく安心に感じるのですが、ここでうっかり日本円を選択すると、DCC(Dynamic Currency Conversion)手数料と呼ばれる手数料が2〜7%程度上乗せされてしまいます。 このDCC手数料を何%にするかはお店側が自由に決められるので、場合によっては法外な金額になってしまう可能性もなくはありません。一方の現地通貨の場合には、カード会社ごとの為替レートや手数料が自動的に適用されます。現地通貨で決済するか日本円で決済するかを選ぶ場面では、「現地通貨の一択」だと覚えておきましょう。 円安の影響で、ただでさえ出費がかさみがちな海外旅行。想定外の出費がかさむのはやむを得ないにしても、少しでも余計な出費は抑えたいもの。事前にしっかりと「お金の対策」をしっかりしておくことで、安心して海外旅行を楽しみたいものです。 家族4人でなんと40万円節約できた実例も…「円安で海外旅行は高い」を覆す裏ワザ