「オオタニがジャッジに明確に勝った」 Aロッドが“後輩”にエール「今彼は準備している」

ジャッジは58HR&144打点の2冠も…POで不振&致命的エラー “親心”が感じられる激励だった。メジャー歴代5位の通算696本塁打のアレックス・ロドリゲス氏は16日、都内で行われたトークショー「MLBレジェンド、Aロッドが世界一オオタニの凄さを語る」に登壇。大谷について称賛の言葉を口にする中、ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手へ労いを見せる場面があった。  今年のワールドシリーズはドジャースとヤンキースという東西の名門が激突。ロサンゼルスとニューヨークという、米国、いや世界屈指の大都市の看板チームが相まみえる歴史的なカードとなった。しかも、両チームには今季前人未到の「50本塁打-50盗塁」を達成した大谷、大谷を上回る58本塁打、144打点を記録したジャッジが在籍。チームとしても個人としても、“最強決定戦”として大きな注目を集めた。  ヤンキースOBでもあるロドリゲス氏は、米放送局「FOXスポーツ」のアナリストとしてワールドシリーズの解説を務めた。今回の頂上決戦を振り返り、ロドリゲス氏は「まさにアメリカを代表するゲーム」と回顧。「1981年以降、実現できなかった。そして両チームにはジャッジとオオタニがいた。そして明確にオオタニが勝った」と、ニヤリと笑顔を見せた。  大谷自身はワールドシリーズ5試合で2安打にとどまった。第2戦でも左肩を負傷。それでも第1戦は、1-2と劣勢の8回に二塁打を放った後に三塁まで進塁。ベッツの同点犠飛の呼び水になった。第5戦も打撃妨害で出塁し、ベッツの勝ち越し犠飛につなげた。満足なスイングができなかったが、大谷を警戒したヤンキースは大谷の打席の直前に何度も投手を投入する場面があった。  一方でジャッジはポストシーズン全体を通じて打率.184と不振。ワールドシリーズは第3戦まで無安打に倒れた。第5戦でシリーズ初アーチを放ったものの、5点リードの5回に守備で平凡なフライを落球。ここから流れが変わり、一挙5点を失った。致命的な失策は試合中、試合後にも大きなバッシングを受け、自身のインスタグラムのコメント欄を閉鎖する一幕もあった。  この日、ジャッジに対して掛ける言葉はあるか、と問われたロドリゲス氏は、言葉を噛み締めるように“後輩”への思いを口にした。「オオタニと同じように、ジャッジのような選手はいません。他のスポーツを見てもマイケル・ジョーダンやモハメド・アリもキャリアのどこかで壁にぶつかることがありました。そして、そうした時によりタフに、強くなります。私はジャッジのことをよく知っているので、約束しましょう。彼はいま準備しています。来年、さらにずっとずっと良い選手になって帰ってくることをと思いますよ」。  ジャッジは“最悪の形”でシーズンが終わることになった。しかし、今回の悔しさを糧にさらに飛躍するーーレジェンドのその目は、一切の曇りがなかった。(新井裕貴 / Yuki Arai)

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