第27回参院選が20日、投開票され、兵庫選挙区(改選数3)に立候補した政治団体NHK党党首の元職・立花孝志氏(57)は落選が確実となった。2019年10月以来約6年ぶりの参院議員返り咲きはならなかった。 【写真】兵庫県庁で会見した立花孝志氏 まだまだ傷跡が生々しい 立花氏はこれまで「私が落選をし、NHK党が国政政党に返り咲かない、(得票率が)2%取れなかった場合は、潔く政治家を引退します」と宣言していたが、選挙戦最終日の19日、兵庫県内の演説で「悪いヤツらがたくさんいるので、政治家引退は撤回しました。今回の選挙で国政政党に復帰しなくても、これからも政治家を続けてまいります」「兵庫県の問題をこれからも続けてまいります」とした。 神戸市内で開票を見守った立花氏は、午後8時過ぎ「明らかに私自身がまず、兵庫県では通らなさそうだということです。かつ、NHK党としては議席が取れないという情勢」と述べた。 その上で「私自身が今回、国政政党に返り咲かなかったとしても、兵庫県で多くの方の期待をいただいている。政治家はこのまま継続するということで、特に兵庫県を中心にやっていくということになります。やはり結果がどうなっても、引退はせずにこのまま政治家を続けていくということです」と、政治家を継続する意向を明らかにした。 今後については「1年9カ月後に、兵庫県の県議会議員選挙は、やっぱりどうしてもやりたい。神戸市北区の、兵庫県議会議員選挙を焦点に。落選したら、奥谷のところ行こう」と、斎藤元彦知事のパワハラ疑惑を調査する県議会の調査特別委員会(百条委員会)委員長を務めた奥谷謙一県議がいる神戸市北区選挙区からの出馬することを示唆。「(衆議院)解散があればそっちを行くし、解散がなければ県議会に行こうという考え」と、衆院選比例近畿ブロックからの出馬に含みを持たせた。 兵庫選挙区で“秒殺"で当選を確実にした泉房穂氏(61)にも批判を強めていた立花氏。「彼、6年間もつのかな。僕、これからも(国会の)廊下で会ったら言いますよ。演説で言った通り、泉房穂をいじめていく」と追及を強めていく。 立花氏は「今回、我々が1議席失いますけれども、そこまで痛手ではないのかなと。やっぱり、痛手なのは、僕のやる気がなくなること。これが一番痛手だと思います。立花孝志のような人間がいて、悪いヤツらをちゃんと監視していかないと。兵庫県における、NHK党の支持って言うのはかなり浸透している。兵庫県に住んだろうと思っている」と、落選で逆に闘志を燃やした。 2024年11月の兵庫県知事選に出馬し、斎藤元彦知事(47)をアシストする「2馬力選挙」を展開した立花氏は、選挙戦でも斎藤氏支持をアピール。兵庫県政の問題を指摘し「斎藤知事が、兵庫県で本当に正義のための戦いをしています。斎藤知事が安心して仕事できる体制を、しっかりと作っていく」としきりに訴えた。 兵庫県知事選以降も、大阪府泉大津市長選、千葉県知事選、兵庫県三木市長選に立候補。“本丸”の参院選に向け、斎藤氏への告発文書問題に端を発した兵庫県の問題をクローズアップしていった。 千葉県知事選の選挙運動中の3月14日、都内で男にナタで頭部を切りつけられ、重傷を負ったが、2024年7月の米大統領選の演説中に狙撃されたトランプ大統領になぞらえ「日本のトランプ」を自称した。参院選公示日となった3日、神戸市内での第一声で「襲撃された後の対応…トランプさんも毅然(きぜん)としていたが、私もこんなことでは負けない。政治家はまさに命がけ。命がけで政治をしているという意味でもトランプさんと同じ」と姿勢を強調した。 「命がけで戦っている斎藤元彦知事。斎藤知事を応援する人は、立花孝志に投票してください」「今回の兵庫県のこの選挙、これは斎藤さんを守る。斎藤さんが正しいと思う人は、立花孝志に入れる」と、兵庫県知事選で斎藤氏に投票した層に支持を求めたが、及ばなかった。 (よろず~ニュース・杉田 康人)