日産のコンパクト「“スライドドア”ハイトワゴン」に注目! 斬新“和風”マスク×全長4.5m級の「ちょうどイイサイズ」! 欧州モデル「タウンスター」がスゴかった

国内導入にも期待大の「タウンスター」  日産「タウンスター」は、欧州を中心に展開される最新小型ハイトワゴン&ミニバンです。  日本には導入されておらず、聞き慣れない名前かもしれませんが、欧州ならではの自動車文化が生んだユニークな存在といえます。 日本導入の可能性も!? 日産のハイトワゴン「タウンスター」とは 【画像】超カッコいい! これが日産のコンパクト「“スライドドア”ハイトワゴン」です! 画像で見る(30枚以上)  このモデルは、日産が進める事業改革「Nissan NEXT」に基づき誕生しました。背景にあるのは、ルノー・日産・三菱アライアンスの緊密な協力体制です。  タウンスターは第3世代のルノー「カングー」をベースに開発された兄弟車で、メルセデス・ベンツ「シタン/Tクラス」とも基本構造を共有しています。  アライアンスが開発した「CMF-Cプラットフォーム」を採用し、フランス・モブージュ工場で共同生産されます。  日産の欧州小型商用車戦略では、従来「NV」シリーズが展開されていましたが、タウンスターの登場を機に「-star」ネーミングが復活。過去の「キュビスター」の系譜を継ぐモデルと位置付けられ、「NV250」や「e-NV200」の後継車種として刷新されています。  ボディバリエーションも多彩です。  乗用モデルの「タウンスター・コンビ(5人乗り)」と「エバリア(7人乗り)」、商用仕様の「パネルバン(標準・ロング)」や「クルーバン(乗用兼用バン)」などが設定されています。  乗用タイプでも後席格納時は最大3750リットルの大容量ラゲッジスペースを確保。実用性重視の設計思想が貫かれています。  エクステリアは単なるバッジ付け替えに留まらず、独自のデザインが採用されています。  特にEV版では「アリア」を彷彿とさせるフロントマスクに、「組子(KUMIKO)」パターンのグリルレスシールドが組み合わされています。  一方、ガソリンモデルは伝統的なグリルデザインを残しつつ、空力性能を高めた機能的なバンパーが採用されています。  ボディサイズは標準ホイールベース「L1」で全長4488mm×全幅1860mm×全高1838mm。ロング「L2」では全長4910mmに拡大されます。  標準でもトヨタの小型商用バン「プロボックス」など日本のライトバンよりひと回り大きく、特に全幅・全高の余裕は欧州のライフスタイル志向を反映したパッケージングです。  インテリアも商用車ベースとは思えぬ上質感を備えます。水平基調のクリーンダッシュボードに8インチのタッチスクリーンを標準装備。上級グレードでは10インチのデジタルメーターも設定されます。  Apple CarPlayやAndroid Autoは全車標準対応。前席周辺だけで49リットルもの収納スペースを確保し、モバイルオフィス用途にも配慮されています。  パワートレインはガソリン・ディーゼルとEV(電気自動車)などが仕向け地域ごとに設定されています。  ガソリンモデルは1.3リッター直噴ターボ(最高出力:130PS/最大トルク:240N・m)を搭載。6速MTが標準ですが、一部グレードでは7速DCTも用意されます。燃費はWLTP複合で約14.9km/L〜15.6km/Lと優秀です。  EVモデルは、最高出力122PS・最大トルク245N・mのモーターに45kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせます。最大航続300km(WLTP複合モード)を実現し、市街地では433kmに達するケースもあります。  充電性能も高く、AC普通充電は22kW、DC急速充電は最大80kWに対応。15%から80%までを約37分で充電可能で、商用ユースにも配慮されています。  安全・運転支援機能も充実。日産の先進運転支援「プロパイロット」はEVモデルに搭載され、360度カメラやプロパイロットパーキング、自動緊急ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)、死角警報、車線維持支援、牽引安定制御など、20種類以上のADAS(先進運転支援機能)が備わります。  乗用車並みの快適性と安全性が、欧州のプロドライバーから高く評価される理由といえます。  欧州での価格は国や仕様で幅がありますが、たとえばドイツの7人乗りEVモデルで約4万ユーロ(約600万円)前後とされています。  日本では現時点で正規導入予定はありませんが、国内では小型EVバンのラインナップがないことから、こうしたモデルが限定的に輸入される可能性は低くないでしょう。 ※ ※ ※  日産タウンスターは、単なる欧州商用車に留まらず、仕事と余暇を両立する“多目的高品質バン”という新しい価値観を体現しています。  日本の軽バンやワンボックスバンなどとは異なる魅力を持ち、欧州の生活文化を映し出す存在として、国内導入の可能性は低いものの、日本のカーライフにとっても注目すべき存在といえそうです。

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