道の駅・サービスエリアで「“迷惑”車中泊」多発… なぜやめたほうがいい? トラブル多い「長時間の“休憩”」 問題の本質は何なのか

車中泊トラブルが後を絶えない  連休や週末にロングドライブへ出かける人にとって、全国にある「道の駅」や高速道路のSA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)はとても頼りになる存在です。  国土交通省の最新の発表(2025年6月時点)によると、全国の道の駅は1230か所にのぼり、地域の観光や休憩の拠点としてますます重要な役割を果たしています。 【画像】「えぇぇぇ!?」これが高速道路で車中泊ができるスポットです。画像を見る!(21枚)  またSA/PAは、かつては高速道路の休憩所として短時間立ち寄るものだったのに対し、近年ではグルメや観光スポットとして、SA/PAに行くことを目的にドライブする人もいます。 中には車中泊が禁止の道の駅も  こうした道の駅やSA/PAは24時間、誰でも無料で利用できる駐車場やトイレが整備されているため、観光客はもちろん、地元や長距離ドライバーにとっても便利な場所となっています。  その中で近年特に増えているのが「車中泊」の利用です。  車中泊は宿泊費をかけず、気ままな旅ができる手段として人気を集めていますが、一方で運営側や他の利用者にとっては、さまざまなトラブルの原因にもなっているのが現状です。  たとえば、最も多く寄せられている問題が「ゴミの放置」です。  旅の途中で出たゴミを道の駅などにそのまま捨てていく人が後を絶たず、中には駐車場に無造作に残していくケースも見られます。  このようなゴミの処理には費用と人手がかかります。道の駅の多くは自治体や地域団体によって運営されており、その費用は、地元の税金によって賄われています。  SA/PAでも、「家庭用ゴミの持ち込みはご遠慮ください」と掲出しているところもあり、想定していない車中泊で発生した大量のゴミに関しては、以前から問題視されています。  また、トイレの使い方にも問題があるようです。  車中泊利用者の中には、トイレの洗面台で洗顔をしたり、時には髪を洗ったりする人もいて、衛生面でのトラブルやほかの利用者に不快感を与えることに繋がっています。  さらに、長時間にわたって駐車スペースを占有するケースも多く、混雑時には他の利用者が駐車できないなどの苦情も寄せられています。  なかには、障害者用の駐車スペースに長期間停めてしまう悪質なケースもあるようです。  このほか、「キャンプ」と「車中泊」の意味を履き違え、施設の駐車場でバーベキューやテントを設ける行為も散見されています。 中には車中泊が禁止の道の駅も  こうしたことから、道の駅やSA/PAでの車中泊については、一部の施設では明確に禁じている場所もあります。  車中泊はクルマが停められる場所なら、どこでも行っても良いというわけではありません。  そもそもSA/PAでは、あくまで休憩を主な目的としている施設であることから、車中泊をして良いと定められていないのです。 「RVステーション鈴鹿PA」利用イメージ(画像:Carstay)  過去の取材で、NEXCO東日本の広報担当者は、SA/PAでの車中泊について以下のように話しています。 「一時的な休憩というのは問題ないですが、休憩の枠を超えるような長時間の駐車はご遠慮いただきたいです。  加えて、家庭用のゴミを捨てたり、アイドリングなどの迷惑行為もお控えいただくようお願いします」  車中泊と休憩の境界があいまいであることから、悪質な利用者では「休憩だから大丈夫」という自分本位の考えで車中泊をする人もおり、また施設の利用マナーに関しても、認識にそれぞれで違いがあることから、問題が発生していると言えそうです。  車中泊をする際の意識として重要なことは、道の駅やSA/PAはあくまで「立ち寄り地」であり、不特定多数の人が利用する、ということです。  全ての人が気持ちよく利用するためには、施設側の対応だけでなく、利用者一人ひとりの意識が求められます。  そういった場所だからこそ、「お互いが心地よく利用するために、どう振る舞うか」が何よりも大切なのではないでしょうか。 ※ ※ ※  こうした対策として、NEXCO中日本では車中泊スペース「RVステーション」を一部のSAで用意しています。  新名神高速の鈴鹿PA上りでは、駐車場に直結する高速道路では初のレジャー向け車中泊スポット「RVステーション鈴鹿PA」が営業しています。  1台あたり2200円で、12:00〜翌朝10:00まで利用することが可能。さらにAC電源(100V)も使用することができます。  また日本RV協会(JRVA)では、安全で快適に車中泊できる有料施設「RVパーク」を全国に展開しています。  ゆったりした駐車場スペースに加え、24時間利用可能なトイレや、ごみ処理施設や100V電源の設置など、車中泊に必要なインフラを用意したもので、2025年7月現在で全国に538か所開設されました。  さらに、コンビニエンスストア大手のローソンでは、2025年7月から店舗の駐車場を使った車中泊サービスを展開する方針で、予約をすれば利用ができ、店舗でのゴミの回収やトイレの利用も可能となっています。  このほか、一部の道の駅では、事前に申告をすれば車中泊が可能な施設もあります。  道の駅やSA/PAで車中泊をするのではなく、こうした専用施設を積極的に活用することで、周りの迷惑にならず快適な車中泊旅をすることが可能です。

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