トヨタ博物館の至宝 34選(後編) 花開く日本車の個性

トヨタFJ25L(1955年) トヨタ初の “ジープ” は、1951年に朝鮮戦争向けの軍用車両として、当時普及していたウィリスをベースに開発された。第2世代のFJ25Lは、民間用として開発され、1955年から製造された。 【画像】世界を驚かせたV10サウンド【レクサスLFAを詳しく見る】 全21枚 『ランドクルーザー』と名付けられた最初のクルマであり、史上最高の悪路走行性能を誇るクルマの1つとして、大量に輸出された。 トヨタFJ25L(1955年) フライング・フェザー(1955年) フライング・フェザーは、できるだけ軽量で経済的なクルマとして設計された。自転車にヒントを得たスポークホイールを採用し、フロントブレーキは未装着。当時のオートバイで一般的だった350ccの空冷V2エンジンを搭載していた。 しかし、消費者はより高性能なクルマを求めていたため、フライング・フェザーは商業的な成功を収められなかった。 フライング・フェザー(1955年) フジキャビン 5A(1957年) この愛らしい三輪のバブルカー、フジキャビン5Aは、フライング・フェザーと同じく富谷龍一氏によって設計された。 小型の121ccエンジンを搭載し、1本の後輪で駆動する。モノコック構造のGRPボディを備えていたが、生産台数はわずか100台だった。 フジキャビン 5A(1957年) いすゞPH300ヒルマン・ミンクス(1960年) 英国人ならこのクルマにどこか見覚えがあるかもしれない。ヒルマン・ミンクスは、1960年にルーツ・グループからライセンスを受けていすゞが生産したクルマだ。当初はノックダウン方式で輸入され、PH300という名で販売された。1957年に国内生産が開始され、6万7729台という驚異的な販売台数を記録した。 いすゞPH300ヒルマン・ミンクス(1960年) スバル360(1958年) スバルの最初の量産車である360は「てんとう虫」の愛称で親しまれ、356ccの直列2気筒2ストロークエンジンを搭載していた。4人乗りだった。 スバルは富士重工業を前身とし、6つの企業が合併して設立された。そのため、同社のロゴには6つの星(六連星)が描かれている。そのうちの1社は、第二次世界大戦中に軍用機を製造していた中島飛行機だった。 スバル360(1958年) プリンス・グロリア・スーパー6(1964年) プリンス自動車工業(現日産自動車)は、1964年にこのスタイリッシュなグロリア・スーパー6を製造した。グロリアとしては2代目にあたり、オーバーヘッドカムの直列6気筒1988ccエンジンによりパフォーマンスを向上させていた。 プリンス・グロリア・スーパー6(1964年) 東洋工業ファミリアSSA(1966年) 軽自動車を製造していた東洋工業(現マツダ)は、1966年にこのファミリアSSAを製造した。4気筒782ccアルミニウム合金エンジンを搭載し、わずか1年間のみ製造された。 東洋工業ファミリアSSA(1966年) トヨタ・カローラ(1966年) 非常にシンプルだったパブリカの成功に恵まれなかったトヨタは、設計を大幅に見直し、1966年にカローラを発表した。クロームメッキのグリル、ツインメーターなど、高級・快適装備を多数採用した。性能もパブリカよりも向上していた。 カローラは、これまでに5000万台以上が販売され、自動車史上最も生産台数の多い車種となっている。 トヨタ・カローラ(1966年) ダットサン・フェアレディ(1963年) 美しいダットサン・フェアレディは、日本初の本格的な量産スポーツカーとされ、総販売台数は4万台を超えた。 MG、アルファ・ロメオ、トライアンフが支配する海外市場をターゲットにしており、ブルーバードのシャシーをベースに、最高出力85psの1.5Lエンジンをセドリックから移植した。 ダットサン・フェアレディ(1963年) トヨタ・スポーツ800(1965年) トヨタ・スポーツ800は、航空機の技術を駆使して開発された、軽量かつ空力特性に優れたクルマだった。アルミ製ボディとカウル付きヘッドライトを備え、排気量790ccの2気筒エンジンを搭載しながら、最高速度は160km/hに達した。 トヨタ・スポーツ800(1965年) トヨタ2000GT(1966年) 史上最も美しいスポーツカーの1つであるトヨタ2000GTは、ヤマハとの共同開発により短期間で誕生し、1965年の東京モーターショーでデビューした。 DOHC 1988cc直列6気筒エンジンを搭載していたが、価格はクラウンの2倍と、非常に高価な高級車だった。映画『007は二度死ぬ』に登場し、ボンドカーとしても有名になったが、337台しか製造されなかったため、現在では希少価値が高い。それまでの日本にはなかった高級グランツーリスモとして、歴史にその名を残している。 トヨタ2000GT(1966年) 日産シルビア・クーペ(1966年) 日産シルビア・クーペは発売当時、その斬新なデザインで大きな話題を呼んだ。ダットサン・フェアレディのシャシーをベースに、最高出力90psのスポーティな1595cc 4気筒エンジンを搭載していた。 日産シルビア・クーペ(1966年) マツダ・コスモスポーツ(1969年) RX7の前身であるマツダ・コスモスポーツは、ツインローター式ロータリーエンジンを搭載していた。マツダは、ドイツのNSUに次いで2番目にロータリーエンジン車を量産した自動車メーカーだ。その未来的なスタイリングと名前は、1960年代の宇宙開発競争を思い起こさせる。 ロータリーエンジンは結局、NSUを破綻に追い込んでしまったが、マツダはその後も数十年にわたって技術開発を続けてきた。 マツダ・コスモスポーツ(1969年) トヨタ・セリカ(1970年) トヨタ・セリカは、フォード・マスタングに象徴される「ポニーカー」ブームに沸く米国のパフォーマンスカー市場をターゲットに開発された。 1970年に発売され、スポーティなエンジンと装備を特徴としていた。写真は、初代セリカ・クーペ1600GT。 トヨタ・セリカ(1970年) いすゞ117クーペ(1970年) 同じく1970年、イタリア人デザイナーのジョルジェット・ジウジアーロがスタイリングを手掛けたいすゞ117クーペが発売された。その優れた製造品質と軽快なパフォーマンスで高い人気を誇り、10年以上も生産が続けられた。 いすゞ117クーペ(1970年) トヨタ・ソアラ2800 GT-Extra(1981年) トヨタ・ソアラ2800 GT-Extraは、当時メルセデス・ベンツやBMWなどが支配的だった高級車市場に向けて開発された。2759cc DOHC直列6気筒エンジンと先進的な電子制御システムを搭載していた。 トヨタ・ソアラ2800 GT-Extra(1981年) レクサスLFAプロトタイプ(2009年) レクサス史上最高のクルマと広く評価されているLFA。プロトタイプと量産バージョンを見比べてみると、外観にほとんど違いがないことがわかる。カーボンファイバー製のモノコックを採用し、アナログのタコメーターでは追いつかないほど高回転のV10エンジンを搭載している。 レクサスLFAプロトタイプ(2009年) トヨタ・ミライ(2014年) 世界初の量産型水素燃料電池車、トヨタ・ミライは、2014年のロサンゼルス・オートショーで発表された。2011年のFCV-Rコンセプトを発展させ、航続距離650km以上を実現している。 トヨタ・ミライ(2014年) トヨタ・センチュリー(2018年) 最後に、皇室、政治家、経済界のトップに愛用されているフラッグシップモデル、トヨタ・センチュリーを紹介する。この車両は2018年式で、5.0L V8エンジンと165kWの電気モーターを搭載し、合計出力は400ps以上に達する。 トヨタ・センチュリー(2018年) 博物館について トヨタ博物館は、月曜日と年末年始を除き、毎日午前9時30分から午後5時まで開館している。詳細や入場料については、ウェブサイトを確認してほしい。 トヨタ自動車博物館: 愛知県長久手市横道41-100 トヨタ博物館

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