約117万円! スズキ「新型コンパクト“セダン”」がスゴイ! “リッター26キロ”も走る 「全長4m以下」モデル! MTのみの“割り切りモデル“印国の「ツアーS」どんなクルマ?

究極の実用セダン  スズキのインド子会社「マルチ・スズキ」が製造・販売する一台のコンパクトセダンが、現地の商用車市場を席巻しています。その名は「ツアーS」です。 安くてもデザインは秀逸な「ツアーS」  このクルマは、一般のユーザー向けではなく、タクシーや法人フリートといった、過酷な環境での使用を前提に開発された、目的特化型のモデルで、インドでは商用車の位置づけとなっています。 【画像】超カッコイイ! スズキ「新型コンパクト“セダン”」を画像で見る(12枚)  そのルーツは、日本でもおなじみの「スイフト」にあります。インドで人気のスイフトから派生したセダンが「ディザイア」であり、このディザイアをベースに商用特化させたモデルがツアーSなのです。  マルチ・スズキはこれまで、個人向けの最新型ディザイアのイメージを守るため、一つ前の世代のディザイアをツアーSとして販売する巧みな戦略を取ってきました。  しかし、新型モデルではその戦略を変更。最新の4世代目ディザイアをベースとしたモデルを、異例の速さで市場に投入、2025年3月に発売しています。  エクステリアは、最新のディザイアと共通のボディを持ちますが、そのディテールは商用車としての役割を明確に反映しています。  フロントグリルやドアハンドル、ドアミラーは、あえて塗装を施さないブラックの樹脂製。これは、傷が目立ちにくく、修理や交換のコストを低く抑えるための合理的な選択です。  足元も、装飾的なホイールカバーを排した質実剛健な14インチのスチールホイールを装備。見た目の華やかさより、日々のタフな使用に耐えうる実用性を最優先しています。  インテリアも、豪華さとは無縁の、機能性を突き詰めた空間です。  ブラックとベージュの2トーンでまとめられた内装は、清掃が容易で摩耗に強い素材で構成されています。木目調パネルなどの加飾は一切ありません。  しかし、商用車としては驚くほど快適装備が充実しており、マニュアル式エアコンや全席パワーウィンドウ、チルトステアリングが標準で備わっています。  ツアーSの心臓部には、スズキが新開発した1.2リッター直列3気筒ガソリンエンジンが搭載され、トランスミッションは5速マニュアルのみが組み合わされます。  また、CNG(圧縮天然ガス)仕様も用意されています。インドでは近年、CNG車の割合が増加傾向にあり、マルチ・スズキでも、CNG車の開発や販売に力を入れています。  CNGモードでの走行時には、最高出力こそガソリン仕様より抑えられるものの、燃費は1kgあたり32kmを超えるという驚異的な数値を記録。燃料コストを劇的に削減できるため、タクシー事業者にとって絶対的な強みとなっています。また、ガソリンエンジンモデルでも1リッターあたり26kmを実現しています。  さらに最新モデルでは、安全性能が飛躍的に向上しました。  運転席・助手席エアバッグに加え、サイド&カーテンエアバッグを含む合計6つのエアバッグと、横滑りを防ぐESP(電子制御スタビリティプログラム)が全車に標準装備されています。  これは、インドの商用車セグメントにおける安全基準を大きく塗り替える、画期的な出来事と言えるでしょう。  これだけの装備と性能を持ちながら、その価格はガソリンモデルで67万9000ルピー(1ルピー=1.73円の為替レートで約117万円)から。日本の軽自動車に匹敵する、驚異的なコストパフォーマンスを実現しています。  ツアーSは、日本の私たちが普段目にすることのない、海外市場に特化した一台です。しかしその成り立ちには、現地のニーズを徹底的に調査し、機能とコストを完璧に最適化するという、スズキの真摯なクルマづくりの哲学が凝縮されています。  それは、必ずしも最新・最高の機能だけが“良いクルマ”の条件ではない、ということを教えてくれます。  与えられた市場と環境の中で、その使命を完璧に遂行するために生まれた「ツアーS」は、ある意味で、どんな高級車にも劣らない“究極の機能美”を体現した一台と言えるでしょう。

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