東北総局長　金子亨 　職場から徒歩１５分の宮城県庁には、昼めしを食べに行くことが多い。 　お目当ては最上階の１８階にある「レストランぴぁ」。ここで出会ったのが、地元の海の幸を生でも焼きでもなく、燻(くん)製(せい)で楽しめる「伊達の燻製ランチ」（１５４０円）だ。 銀ザケ・メカジキ・ホタテのスモーキーな香り…多彩な副菜も楽しく 　素材は女川の銀ザケと気仙沼のメカジキ、そして南三陸のホタテの３種。これを石巻の塩や自家栽培のハーブで仕立てた特製の漬け込み液に浸し、桜チップでじっくりいぶしてある。ぎゅっと詰まったうま味とスモーキーな香りに誘われ、昼からワインが飲みたくなる。 　レストランは仙台市の社会福祉法人・仙(せん)萩(しゅう)の杜が営む。知的障害者の就労支援事業所を市内で運営するなか、障害者に支払う工賃の原資にしようと開発されたのが、長期保存が可能で販売ロスの少ない「伊達の燻製」だった。 　漬け込んだり、いぶしたりする時間は魚介の状態によって変えるといい、調理責任者の渡辺翔太さん（４３）は「魚特有のにおいもなく、魚の苦手な人にも受け入れられています。ほんのり温かくして提供するのがポイント」と話す。燻製は品評会の受賞歴もあり、市のふるさと納税の返礼品にもなっている。 　ランチの副菜の小鉢も多彩で、この日の「サツマイモのスイートサラダ」は単品でも勝負できるほどのうまさ。ご飯は県産ひとめぼれ、味(み)噌(そ)汁には仙台味噌と、地元食材へのこだわりも感じられる。 こちらもオススメ…牛たんランチ 　もう一つのおすすめメニューは、仙台ならではの「牛たんランチ」（１５４０円）だ。牛たんは薄切りで、かむほどに味が出る。テールスープや小鉢が付いてこの値段はお手頃と言えるだろう。 　レストランでは知的障害のある２０人が働く。かいがいしく接客する姿を見るたび、自分も頑張らねばという思いになる。 　※税込み。記事中の値段などは紙面掲載時のものです。 ◇ 　国内外の総支局長が、日頃通っている店のおすすめメニューなど、地域の自慢の味を紹介します。 レストランぴぁ 　仙台市青葉区本町３の８の１　宮城県庁１８階 　午前１１時半〜午後４時（ランチは午後２時１５分ラストオーダー）。土・日・祝日定休。 　「伊達の燻製」は仙萩の杜のホームページから注文できる。