原爆で破壊され、今年5月に復元・寄贈された長崎市の浦上天主堂の鐘の祝福式が開かれました。復元された鐘は、8月9日午前11時2分に平和の願いを込めて鳴らされる予定です。 カトリック長崎大司教区 中村倫明大司教「わたしたちはこの鐘を『希望の聖カテリの鐘』と命名します」 長崎市の浦上天主堂で開かれた祝福式には、信徒らおよそ120人が参加しました。 浦上天主堂は原爆によって破壊され、その後、再建されましたが、2つの鐘楼のうち1つは鐘がない状態が続いていました。 原爆を開発する「マンハッタン計画」に参加した医師の孫で、アメリカの大学教授のジェームズ・L・ノーラン・ジュニアさん。教会の信徒・森内浩二郎さんとの交流がきっかけで経緯を知り、アメリカの信徒に呼びかけ、およそ600人の寄付をもとに鐘を復元し、今年5月に寄贈しました。 アメリカの大学教授 ジェームズ・L・ノーラン・ジュニアさん（62）「うれしい気持ちでいっぱい。鐘の音は想像以上に素晴らしかった」「いま分断や戦争が起きている世界で、この鐘が連帯の象徴となり希望と平和を育んでほしい」 カトリック浦上教会 森内浩二郎さん（72）「感謝しかない。本当にありがたい。平和を願う人たちが世界から浦上天主堂に集まってくる。そういうものを目指したい」 浦上天主堂の鐘楼に2つの鐘がそろうのは80年ぶりとなります。 復元された鐘はクレーンで浦上天主堂の鐘楼におさめられ、設置作業が行われます。 原爆がさく裂した8月9日の午前11時2分、80年の時をこえ、平和を願う2つの鐘の音が長崎の空に響きます。
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