オウム真理教の教祖・麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚（２０１８年に刑執行）の妻と次男が暮らす埼玉県越谷市内のマンションを埼玉県警が団体規制法違反容疑で捜索していたことが１５日、捜査関係者への取材でわかった。 室内から現金数千万円が発見されたといい、公安当局が現金の出所などを調べている。 教団は分裂や分派を繰り返し、現在は後継団体主流派「Ａｌｅｐｈ（アレフ）」のほか、「山田らの集団」、「ひかりの輪」が活動している。いずれも松本元死刑囚の影響下にあるとして、同法に基づく「観察処分」が２０００年以降に適用され、公安調査庁が立ち入り検査などを通じた監視を続けている。 捜査関係者によると、公安庁は今年３月、妻と次男が暮らす埼玉県越谷市内のマンションに同法に基づく立ち入り検査を実施しようとしたが、妻側が応じなかったことから、公安庁からの告発を受けた埼玉県警が４月、マンションを捜索。室内から現金数千万円が見つかったという。 公安庁は３団体への検査を通算で計約６００回実施しているが、松本元死刑囚の家族の拠点を対象としたのは異例とみられる。 公安関係者によると、松本元死刑囚は次男を後継者の一人に指名したとされる。アレフ側が「教祖」に据えようとしているとの動きもあるとされ、公安庁はアレフや次男の動向に警戒を強めている。 アレフを巡っては、地下鉄サリン事件などの被害者側に対する１０億円超の支払い命令が確定しているが、支払いは滞っている。
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