ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は１４日、ユリヤ・スビリデンコ第１副首相兼経済相を首相に起用する方針を表明した。 ゼレンスキー氏は近く大規模な内閣改造を行う見通しで、ルステム・ウメロフ国防相を駐米大使に充てる方向で検討している。トランプ米政権との関係を強化する狙いがありそうだ。 スビリデンコ氏は４月に米国と結んだウクライナの鉱物資源権益に関する協定で交渉役を務め、米政権ともパイプを持つ。ゼレンスキー氏は１４日、スビリデンコ氏と会談し、首相就任を要請した。１４日夜のビデオ演説では「ウクライナの製造業や起業への支援における豊富な経験に基づき、政府を率い、その仕事を一新することを提案した」と期待を示した。首相交代にはウクライナ最高会議（議会）の承認が必要となる。 スビリデンコ氏は１９８５年生まれ。２０２０年から大統領府副長官を務め、２１年から現職。昨年１２月にはウクライナの復興支援を検討する会議に出席するため、来日した。 ゼレンスキー氏はビデオ演説で、デニス・シュミハリ首相を国防相に起用する方針も示した。国防相のウメロフ氏は駐米大使に就く見込みだ。１２日にウメロフ氏と会談したゼレンスキー氏は、ＳＮＳに「ウクライナは米国との関係でさらに前向きな勢いが必要だ」と投稿した。 現在のオクサナ・マルカロワ大使は、トランプ政権から民主党寄りとみられているとされ、トランプ氏との関係を重視するために交代論が浮上していた。
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