80年前に被爆したピアノ。「被爆ピアノ」と呼ばれています。その音色で戦争の記憶をつなごうと14日、新潟市内の中学校でコンサートが開かれました。 優しいメロディーが体育館に響きます。新潟市東区の藤見中学校。14日、平和学習の一環として開かれたのは「被爆ピアノ」のコンサートです。 1945年8月6日、広島に落とされた原子爆弾。このピアノは爆心地から約3キロの民家で爆風や熱線による被害を受けました。その後「被爆ピアノ」と呼ばれています。 被爆ピアノの音色を復活させた調律師の矢川光則さんです。2005年から全国各地を回り戦争の悲惨さを訴え続けています。 〈調律師 矢川光則さん〉 「核兵器というのは通常の爆弾と違いまして広島原爆の場合は地上から上空約600メートルでさく裂したそうなんですけども、爆風というのは20キロメートル先まで来たそうですね」 矢川さんと2人の生徒による演奏。集まった生徒たちは穏やかな音色に耳を傾け平和への思いを募らせていました。 〈演奏した生徒〉 「当時の悲惨さとか思いを経験したわけではないけれど（ピアノを）弾くことでその思いが伝わってくる。家でも悲しい曲を弾くときは被爆とかきょう聞いた話とか音色とかを思い出してその音色に向かって練習しよう」 〈調律師 矢川光則さん〉 「平和というのは誰かが与えてくれるものではなくて一人ひとりがみんなで作りあげていくものだと思う。そういう認識をもってもらうきっかけになっていけばいい」 戦争の記憶をつなぐ音色。被爆ピアノのコンサートは県内の計9校で7月18日まで開かれる予定です。
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