気象庁は、14日遅くから15日昼前にかけて静岡県を含む東海地方で「線状降水帯」が発生する恐れがあると発表しました。降雨状況や特徴など含め松浦悠真気象予報士に詳しく伝えてもらいます。 （新静岡セノバ前から中継･松浦 悠真 気象予報士） 静岡県内では15日の午前中にかけまして、「線状降水帯」が発生し、大雨の災害危険度が急激に高まる恐れがあります。 まずは、今回の大雨の特徴から見ていきます。 まず「長い」ということが特徴ですね。長期間、同じような気圧配置が続きますので、警報級の大雨が続く恐れがあります。そして、この一連の大雨の中で、雨量が多いということになりまして、数日間の中で、平年の7月、ひと月分の雨が一気に降る可能性があります。ことしは梅雨明けがかなり早かったですけれども、その梅雨の間に降っていなかったものが、一気に、ここでバランスを取って降ってくる可能性があるのですね。さらに静岡県内では「線状降水帯」が発生する恐れがありまして、もし発生した場合は、急激に災害の危険度が高まるということが考えられます。仮に発生しなかったとしても、十分に大雨の災害が発生する恐れがある。それぐらいの雨の量になってきますので警戒が必要です。 現在の雨雲レーダーを見ていきます。静岡県内は西部や中部のところに、まだ雨雲がかかっている程度ということで、大雨にはまだなっていないのですけれども、西側を見てみますと、東海地方の別の県、三重県ですとか愛知県には活発な雨雲がかかり始めています。そして、そのさらに西側、きょうは西日本を中心に大気の状態が非常に不安定となっていまして、雷を伴った非常に激しい雨が観測されています。 きょう14日の天気図を振り返っていきますと、日本海に低気圧がありました。その南側には、元々、熱帯低気圧があったのですけれども、その熱帯低気圧は不明瞭にはなっています。ただ、周辺には非常に温かく湿った空気が流れ込んできているという状況ですね。さらに、上空に寒気を伴っていまして、そのあたりで非常に発達した雲が広がっているというような状況で、だんだんこの雲の帯が東に進んできていますので、静岡県内にも、この大雨のエリアが近づいてきているということが言えます。 今回は大雨の期間が長いという話をしましたけれども…、警報級の可能性、ピンク色のところが「中程度」となるのですけれども、静岡県内全域ですね、14日･今夜から火曜日、水曜日、木曜日と…、17日の木曜日にかけて連続で警報級の可能性が「中程度」あるという風についているんですね。梅雨の時期で、これほど長い期間が続くことは、たまにありますけれども、梅雨明けした中で、こういった（雨の）降り方になるというのは、少し珍しい降り方になってくるかなと思います。警戒が必要と言えそうです。 今回、どれぐらいの雨の量が降るのかということで、こちらは72時間の予想降水量の7月の1か月分の平年と比になります。赤色になっているところが100以上ですので、つまりは1か月分の雨が降りますよという予想が出ているところですが、静岡県内の広い範囲で、その赤色が出ているんですね。山沿いだけではなくて、平地でも大雨の災害が発生する恐れがあります。