いまだ復帰のめどが立たない「佐々木朗希」が抱える“心のブレーキ” 元ロッテの先輩投手が「マイナーリーグで必死にプレーすること」を勧めるワケ

 第1回【驚異の「縦スラ」で4奪三振の「大谷翔平」と、マイナー行き不可避の「佐々木朗希」に米メディアは「残酷な明暗」を指摘 元プロ投手は大谷の「ストイックな姿勢」を称賛】からの続き──。アメリカのスポーツメディアMotorcycle Sportsは7月1日、佐々木朗希に関する辛辣な記事を配信した。(全2回の第2回)  *** 【写真】目元がソックリ? 佐々木朗希と同じく地元・大船渡高校で活躍した、弟の佐々木怜希選手。兄のメジャー挑戦と時を同じくして中央大学に進学  タイトルは「佐々木朗希の“ドジャース・ドリーム”は幻と消え、大谷翔平は待望のマウンド復帰に準備中(Roki Sasaki’s Dodgers dream fades as Shohei Ohtani prepares for anticipated return to the mound)」というものだ。記事の冒頭をご紹介しよう。 正念場を迎えた佐々木朗希 《日本のスーパースター・大谷翔平の投手復帰が現実味を帯びてきたこともあり、才能溢れるルーキー・佐々木朗希の獲得を願い続けてきたドジャースの強い想いは消え去ってしまったように見える》 《かつて佐々木は日本プロ野球で旋風を巻き起こし、ドジャース投手陣で中核的な役割を担う可能性があると見られていた。しかしドジャースが若き才能を追い求めるという点において、最新の状況は組織としての見直しを求めている》  オブラートに包んだ筆致だが、内容は身も蓋もない。要するにドジャースは佐々木に失望しており、スカウティングを見直す必要があると報じているわけだ。  実際、大谷は7月5日の対アストロズ戦で好投を見せ、一方の佐々木はデーブ・ロバーツ監督がマイナー行きについて口にした。その差は非常に大きいと言わざるを得ない。  野球解説者の前田幸長氏はロッテ、中日、巨人、そしてアメリカ・マイナーリーグの3Aオクラホマの4球団で投手として活躍。先発、中継ぎ、クローザーの全てを経験した。 問題は“心のブレーキ”  前田氏は佐々木にとってはロッテの先輩投手であり、マイナーリーグの実情に詳しい。そして前田氏は以前から「佐々木はマイナーに行くべき」と主張してきた。改めて、その真意について訊いた。 「佐々木投手の抱えている大きな問題点の一つに精神的なものがあります。彼は小学生の時から野球の指導者に『無理をするな』と言われてきたはずです。同じ傾向は中学、高校と続き、ロッテでも変わりませんでした。何か困難に直面したらブレーキを踏め、ブレーキを踏むことは正しいと教えられてきたわけです。その積み重ねが今、佐々木投手の不振を招いていると思います。体に違和感があればブレーキを踏む、登板を回避するというわけです。アマチュアの投手なら問題ありませんが、やはりプロの投手はケガと付き合うという技術も求められるのです」  そんな佐々木がマイナーに行けば、「簡単にはブレーキが踏めない」環境へ強制的に放り込まれることになるという。 「佐々木投手であれば普通のマイナー選手とは異なり、特別扱いされるとは思います。例えばトレーナーです。マイナー選手に専属のトレーナーが付くことはありません。しかし佐々木投手に付くことは充分に考えられます。とは言え僕も実際に経験しましたが、マイナーリーグの環境は極めて苛酷です。例えばメジャーの移動ならチャーター機で、選手全員がファーストクラスというチームもあります。一方のマイナーは接続の悪い深夜便が普通ですし、長距離バスでの移動も珍しくありません」 苛酷なマイナーリーグ  前田氏はロッテ、中日、巨人の3チームで2軍に落とされたことはなかった。だが調整のため登録抹消となり、2軍の試合に出場したことは何度もあったという。 「マイナーリーグに比べると、日本の2軍は本当に恵まれています。移動の距離は短いですし、ホームの場合なら試合が終わると寮で栄養バランスの取れた食事を出してもらえます。アメリカのマイナーはホームだと一人暮らしなので自炊です。試合で消耗した上、自分で栄養バランスを考えながら食事を作る必要があります。ビジターの試合では相手チームが食事を用意してくれますが、しっかりお金を取られますし、中には口に合わないメニューもあります。僕は遠征する時は携帯型の炊飯器をバッグに入れ、向こうでご飯を炊いたものです」  前田氏が3Aオクラホマでプレーしていたのは、37歳から38歳にかけての時期。自ら選んだ道とはいえ、“オールド・ルーキー”として苦労を重ね、「なぜ自分はプロ選手としてプレーを続けるのか」と自問自答を繰り返した。 「非常に学ぶことの多い貴重な経験でした。だからこそ僕と同じことを佐々木投手にも体験し、自分を見つめ直してほしいのです。マイナーの選手は誰もがメジャーに這い上がろうと必死です。そんな環境でプレーを続ければ、佐々木投手は自分の心の中にあるブレーキが問題だと嫌でも気づくでしょう。マイナーで必死にプレーすることで、体調不良やケガとの付き合い方も学べるはずです」(同・前田氏) 肉体改造の必要性  佐々木がマイナーで懸命に努力を重ね、自らの手でメジャーリーガーの座を勝ち取った時、野球選手としては何倍も成長しているはずだ。  ちなみにネット上では佐々木の問題点として「体が細すぎる」という指摘が非常に多い。素人の当て推量かと思いきや、意外にも鋭い論点だという。 「いわゆる肉体改造には失敗のリスクが常に存在します。体重や筋肉量を増やしてみたけれど、体が重くなりすぎて動きが鈍くなる、ということも珍しくないのです。ただ佐々木投手の場合、野球ファンの皆さんが『体が細すぎる』と指摘する気持ちは僕にもよく分かります。あの体型だと、確かに1試合を投げきるにはスタミナが足りない可能性があります。マイナーリーグで体重を増やすことは、挑戦する価値があるのではないでしょうか」(同・前田氏)  第1回【驚異の「縦スラ」で3奪三振の「大谷翔平」と、マイナー行き不可避の「佐々木朗希」に米メディアは「残酷な明暗」を指摘 元プロ投手は大谷の「ストイックな姿勢」を称賛】では、大谷翔平と佐々木の残酷すぎる明暗について詳細に報じている──。 デイリー新潮編集部

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