元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、元刑事が語る「被疑者の顔」について。 【写真】悪さをすれば、気がつかないうちに顔に出るという  * * *  殺人事件が起こる度にメディアで流される被疑者の顔は、目つきや人相が悪い”犯罪者”の顔をしているように見える。静岡県浜松市のガールズバーで、20代の店長と従業員の2人を両手に持ったククリナイフで殺害した疑いで逮捕された常連客の男の映像も、”危ない人物”という印象だ。 「メディアなどで使われる被疑者の顔写真は、危険人物にみえる、悪くみえるようなものが使われやすいこともある。こいつはホシという先入観が見る側にあるからね。被疑者写真もそうだ。被疑者写真の顔は犯罪者の顔とよくいわれる」と、長年、凶悪事件を担当してきた元刑事S氏はいう。被疑者写真とは、逮捕され被疑者となった人物を警察で撮影した写真のことだ。その写真を世間一般が目にするとすれば、それは指名手配犯の写真だろう。指名手配犯のポスターに並ぶ顔は、いずれも凶悪犯にしか見えない。その理由をS氏は「人間悪さをすると明らかに表情に出るからだ」と話す。 「特に事件を起こしたばかりの犯人は顔を見ればすぐにわかる」と、S氏は数多くの凶悪事件を捜査してきた経験から語る。他の元刑事らからも「殺人事件を起こした犯人は、独特の顔をしているから見ればすぐにわかる」と聞いたことがある。どの元刑事も一番にあげるのは”目”、「目が違う」という。その目をS氏は「イってしまっている目だが薬をやっているような目ではない。血走っている目、焦点が合っているようで合っていない目だ」。逮捕され、護送されていく時の被疑者の映像ではよく見えないが、元刑事らの話によると被疑者らの目は普通とは違うらしい。  現行犯逮捕なら被疑者が犯人と認識でき、その場で血走った目をした被疑者に対することになると想像がつく。しかし逃走されてしまえば時間が経過する。被疑者も幾分落ち着きを取り戻しているだろうから、目の違いはわからないのではないか。「何年も逃亡し、日常生活を送っているような被疑者なら目の印象は変わってしまうだろう。だが短期間の逃走なら被疑者は”犯罪者の目”をしている」とS氏はいう。  目以外に犯人だとわかるようなものはあるのかと聞けば、「ピンとくるというのはある。うまく表現ができないが、普通じゃないというか、なんか感じるものがある。刑事の勘というものだろうか。もちろん顔や目の違いだけ被疑者とするのでなく、あらゆる捜査をやった上で取調べに入る。自分の印象だけで決めつけてはいけない。無実の人間を犯罪者にはできないからね」(S氏)。 悪さをすれば、気がつかないうちに顔に出る  では血走っていたというその目はいつ変わるのか。「取調べに最初から素直に応じる被疑者は少ない。最初は被害者が悪い、被害者のせいだと責任転嫁する者が多いものだ。容疑を否認している間は、イキがっている者も、だんまりを続ける者も目が血走り続け、顔に剣が出ている」とS氏。  それが変化するのは、罪を認めた時からだという。「罪を認めた者が大泣きしたりして、一気に秘密の暴露を話し始めた後は完全に顔が変わる。”完落ち”したホシは本当にスッキリした顔つきになる。改心すればスッキリした顔や瞳になり、充血はなくなる」(S氏)。  完落ちとは、被疑者が犯行や動機のすべてを供述する、すべてを自供するということだが、否認し続ける被疑者を落とすのは簡単ではない。「取調べに入るといつも思うのはこいつがホシでいいのか、落ちなかったら、黙秘されたらと色々考える。ドラマや映画では偉そうに横柄な態度を見せるような刑事役がいるが、こっちは正直なところいつも緊張感でいっぱいだった」。被疑者には余裕があるように見せていても、内心はドキドキしていたとS氏はいう。  黙秘するホシの口をどうやって割らせるのか、嘘を言っているホシをその気にさせるには、話をする気にさせるにはどうするのか。その鍵は「調べをする自分が信頼できる人間かとわかってもらうことだ」とS氏は頷く。「自分がどのような人物かわかってもらわなければ、殺しのホシは落ちない。ホシが凶悪犯だとしても、この人に話してみよう、聞いてもらおう、この人だと話してもいいやと思わせる誠実さが大事だ」。  人を殺した被疑者であっても、誠実に対応しなければホシは落ちないという。感情的に矛盾を感じそうだが、「話せば死刑になるかもしれないと考えれば言えるものも言えなくなる。そこを自供させるのが仕事になるので、最後はこっちの人間性になるだろう」(S氏)。  善人の顔、悪人の顔という表現があるが、元刑事が注意してきたのは顔の作りや人相ではなく表情の違いだ。「些細なことでも悪さをすれば、気がつかないうちに顔に出るものだ。刑事として沢山の顔を見てきたが、自分の顔を見ることはなかった」というS氏。取調べを行っていた自分が被疑者にどんな顔を見せていたのか、今になって気になるという。

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