子どもの成長の鍵は「目的意識」? 2児の母・青木裕子が朝4時起きの息子を見て思うこと

フリーアナウンサー、VERYモデルとして活躍する青木裕子さん(Instagram: yukoaoki_official)は、10歳と9歳の2人の男の子の母。2024年4月には、青木さんがお子さんたちと一緒に実践してきた「体験学習」の具体例や、小学校受験の大原先生による月々のアドバイスなどを掲載した、書籍『「学びが好きな子に育つ!」 青木裕子の3歳からの子育て歳時記』が発売されました。 子育ての正解ってある? 教育ママじゃダメ? 子どもにとって“本当にいいこと”って? などなど、この連載では、青木さんが子育てをする上で日々感じているアレコレを、「子どもの教育」をテーマにしつつ徒然なるままに語っていただいています。今回は、子どもが持つ「目的意識」について。朝4時にサッカー観戦する息子の姿を見て、青木さんが感じたこととは? 子どもの成長に正解はない中で、親ができることを考えます。 朝4時起きでサッカー観戦する息子 朝食を作ろうと6時にリビングに向かうと、長男がとうに起きていた。 「何時から起きてるの?」「4時」 こんなことが、時折ある。そう、時折。レアルマドリードの試合があるとき、らしい。サッカーの試合を観るために彼は早起きをしているのだ。ヨーロッパサッカー事情に明るくないので、どれくらいの頻度で早起きの必要があるのか正確なところはわからないのだけど(すべての試合の中継があるのか、キックオフ時間はいつも朝方なのか、そういえば夜中に起きてきたこともあった気がする)、とにかく彼の情熱には感心する。 しかも、彼の周りには彼と同じように4時に起きて試合観戦する程のサッカーファンはいないから、「みんなが観ているから僕も観たい」とか、「学校に行ってみんなで試合の話がしたい」というモチベーションがあるわけでもない。孤独なサッカーマニアだ。「録画でも良いのでは?」「ダイジェストではいけないの?」なんていう質問は野暮らしい。さらに、好きなだけじゃなくて、海外選手の移籍情報からスパイクの変化まで、とにかく詳しい。情熱も情報収集力も、観察力も、大したものなのだ。 だから、「あー、これらを何か他のことに活かせないものかしら」なんて、それこそ野暮なことも考えてしまう。この情熱の10分の1だけでもテストに向けてくれたら、情報収集力を調べ学習に発揮できたら、観察力を授業中に使えたら。でも違うんだよな、ということは私だってわかっている。できるかできないか、それは目的次第なのだ。 目的意識次第で子どもの能力も変わる? “何のためなのか”、それってとっても重要だ。話は変わるけれど、私は昨年2つの子ども向けプレゼンコンテストの審査員を務めた。(一つはFRaU web主催のものです。『こどもプレゼン・コンテスト2025』の作品募集が始まりました! 今年も審査員を務めます。どんな作品に出会えるのかとても楽しみです) それらは同じプレゼンコンテストというタイトルだけれど、それぞれ全く違う趣旨のコンテストだった。簡単に分けると(もちろん本来そんなに単純に分類はできないのですが)、一方はテーマのオリジナリティや取り組みなどに、他方はライブ発表での伝える力に、より焦点を当てていた。そのことはとても興味深くて、私にとって教育における目的意識というのを改めて認識する機会になった。 当然どちらも、参加した子どもたちの志や熱意に感動したし、私自身が学ぶことも多かったというのは大前提だ。その上で、一面的な見方では子どもの能力を見落としてしまうのではないかとか、同じ事柄でも何に重点を置いて取り組むかで全く異なる経験になるのだという教育の奥深さみたいなことを改めて考えるきっかけとなった。こう考えると、例えば親子で何かに取り組むとき「どんな力をつけたいか」を考えて取り組むことで、取り組みの意味合いがぐっと深まるかもしれないし、どこで能力が発揮できるかわからないから様々な性格のものに取り組んでみることが必要かもしれないと気づく。 だが同時に、それは、あまりに頭で考えすぎだ、とも思う。教育に効率の良さを求めるなんて不合理だ。だって元来、子育てや教育って効率が悪いものなのだ(と思っている)。“こうやったらこうなります”なんて単純なもんじゃない。取説が存在しない。意味があるのかどうかわからないことを、積み重ねて積み重ねて、いつかの何かの土台を築き上げるのが子育てであり教育なんじゃないか。 結局、 子どもの成長は思い通りにはならない! 時には受験などの短期的目標に向かって効率よく学習する必要が生じることもあるけれど、“どんなふうに育ってほしいか”という究極の問いに向けては効率の良さを求めることはできない。それに、経験上、子どもというのは予期せぬところで予期せぬ学びを得ることも多く、こちらが「〇〇を学ばせよう」という目論見を持っていてもその通りにはいかないものだ。 だから、そういった目的意識を親が自身の中に持ちすぎることは、フラストレーションの元! ということも多い。いろんなタイプの体験にバランスよく取り組もうと思ったところでそうは問屋が卸さないわけで……。発信する経験を積んでほしいと思った場所でやたら聞き上手になったり、じっくり探求する機会だと思ったらちゃちゃっと検索の達人ぶりを発揮しちゃったりね。まあだから、すべては運任せ(なんてまとめでしょう(笑))。 目的意識とは言っても、息子が「サッカーのことなら頑張れる」というときの“目的”と、「どんな要素が重視されるコンテストか」というときの“目的”とでは、ややニュアンスが違う。でもどちらも共通しているのは、目的次第で結果が変わるということだろう。目的次第で発揮できる能力があったり、目的次第で認められる能力があったり、目的次第で頑張れたり、目的次第で褒められたりするのだから。 でもとにかく、発揮できたり認められたり、頑張れたり、褒められたりするということは、能力は内在していると言えるんじゃないかな。楽観的すぎるかもしれないけれど、子育ては前向きでなんぼ(だって圧倒的に後ろ向きになってしまいそうなことが多いのですから)!! その能力を生かすも殺すも……運次第? 親次第? 環境次第? いつか何かのきっかけで、ポーンと花咲くこともあるにちがいない。ソウデスヨネ? だから、これからは、「あー、これらを何か他のことに生かせないものかしら」って溜息をつくのはやめて、「こんなこともできるのね。すごい」と捉えるようにしようと思います。矢部家の朝が、笑顔で満たされますように(笑) 夏休みの宿題はこれで完了? こどもコンテストワークショップ開催!「ざんねんないきもの事典」の今泉忠明さんやバービーさん、マシンガンズの滝沢秀一さんも講師に!

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