【サンフランシスコ＝帯津智昭】米大リーグ・ドジャースの大谷翔平は１１日（日本時間１２日）、敵地でのジャイアンツ戦に１番指名打者で出場し、三回に２試合ぶりの本塁打となる３２号２ランを放って４打数１安打２打点だった。 ドジャースは７—８で敗れ、８年ぶりの７連敗となった。 大谷の３２号は、日本人選手初の「スプラッシュ・ヒット」となった。ジャイアンツの本拠地オラクルパークの名物、右翼席後方の海に飛び込む場外本塁打だ。 ０—１の三回一死三塁で、相手先発の右腕ウェブの初球、内角のカットボールをとらえた。飛距離４１０フィート（約１２５メートル）の打球は右翼席をはるか上を越え、そのまま海へ。ドジャースでは２０２１年の５月のマンシー以来で８人目となった。 ジャイアンツの選手が放った場外弾に限り、スプラッシュ・ヒットとして球場内に本数が表示されており、２０００年のオープン以来、通算１０６本を数えている。このうち、メジャー歴代最多７６２本塁打を誇るバリー・ボンズが最も多い３５本を放っている。対戦相手の選手の場外弾は昨季までで６３本だった。 海では、試合前からカヌーに乗ってホームランボールが飛んでくるのを待っている人たちがいる。海から見える球場の外壁に大型モニターがついており、そこで試合の様子をチェック。大谷のボールが来た際には争奪戦となり、郵便配達員のブラッド・レナーさん（３４）が海に飛び込んでつかんだ。「最高だよ。でも、めちゃくちゃ寒い」と震えながらも、満面の笑みを見せた。 大谷は昨年５月１４日、この球場での初本塁打を右中間に放った。飛距離４４６フィート（約１３６メートル）の特大の一発だったが、打球方向の関係で海には届かなかった。当時、「打った瞬間は行くかなと思ったけど、行かなかったので、ちょっと残念。またチャンスがあれば頑張りたい」と話していた。
