ル・マン クラシック 2025 その1|「始まりの時代」を追って

100年以上の歴史を誇るサルト・サーキット。その長い物語の幕開けとなった1923年の第1回24時間耐久レース。その黎明期を象徴するマシンたちが、2025年のル・マン クラシックにおいて、再びエグゾーストの咆哮とともに現代の観客を魅了した。 【画像】ル・マン クラシック参加車両の中から、戦前の車両(Plateau 1)を中心にお届け(写真22点) 今年のフランスは、このル・マン クラシックが始まるおよそ1週間前から熱波に見舞われ、例年にない猛暑の中でのスタートとなった。摂氏35度を超えるサルトの陽光は、90年前のレーシングカーにも、そしてそれを整備する人々にも容赦なく降り注ぐ。埃を舞い上げるパドックの路面と、熱気で揺れるピットロード。まさに”試されるのは人間と機械のどちらも”という、耐久レース本来の空気がそこにあった。 イベントは年代別に6つの”Plateaux(プラトー)”に分類され、1920〜1980年代のマシンがそれぞれの時代を再現するように走行を披露。なかでも最も古いPlateau 1には、1923年から1939年にかけて実際にル・マンに参戦した、あるいはその血を引くマシンたちが集結した。 鋼管フレームにリベット留めされたアルミボディ、ワイヤーで作動するブレーキ、素手で開閉されるエンジンフード。いずれも、クラシックカーとして静態保存されるだけの存在ではなく、いまもなお走る意志と機能を保った”現役の機械”だ。 今年のPlateau 1では、Martin HalusaとAlexander Amesが駆るAlfa Romeo 8C 2300 Spider Zagato(1932年/#1)が総合優勝。1931年型の8C 2300 LM(#2)をドライブしたFritz Burkardが初戦を制し、続く2レースをZagato仕様が連勝してトップを奪った。地元フランス勢では、Delahaye 135 S(1935年/#65)が健闘し、堂々の3位に食い込んだ。 一方、パドックやピットロードでは、各マシンの個性がより直接的に伝わってくる。ギア比の影響で猛スピードでコースインしていく車両、スターターモーターでは始動せず押し掛けされる姿、キャブレター調整に追われるメカニック。そこには、レースという枠を超え、機械と人間が一体となって過去を再演する現場があった。 今回はそんなル・マン クラシックの世界を、僕の目線でゆるく紹介する第一弾として、戦前の車両(Plateau 1)を中心にお届けする。 写真・文:櫻井朋成

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