仏紙「ル・モンド」によると、昨年１２月にベルギーのブリュッセルで行われた欧州連合（ＥＵ）首脳会議に際し、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が参加した非公開会合で通訳した女性が詳細なメモを残していたとして、ベルギー当局がロシアによるスパイ行為に関与した疑いで捜査を進めている。 同紙が９日付の記事で伝えた。女性は、フランス語とウクライナ語の通訳者で、ロシア人の両親を持つ。ＥＵの執行機関・欧州委員会は、この女性との契約を解除した。 女性通訳は、ゼレンスキー氏とＥＵ加盟国の首脳らがウクライナへの軍事支援を協議した会合で、議論の内容を書き残していた。首脳のみが出席する非公開会合では、メモを取ることを厳しく禁じられていた。 同僚のチェコ語通訳が見つけ、警備員によって会場外へ連れ出された。女性は２０年以上、ＥＵや北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）の会議で通訳をしてきたという。 同紙によると、フランスとベルギーにあるウクライナ大使館は、この女性通訳について数年前から「ロシア当局とのつながりが疑われる」とし、ゼレンスキー氏の訪問時には同席を拒否してきたという。
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