マツダ新型「CX-5」世界初公開! 9年ぶりの全面刷新でディーゼルモデル廃止!? 「主力SUV」の“電動化”が確実なワケとは!

まさかのディーゼルモデル廃止!?  マツダは2025年7月10日、欧州仕様の新型「CX-5」を発表しました。欧州では2025年末、また日本を含むその他の地域では2026年中の発売が予定されています。 9年ぶりの全面刷新で登場する新型「CX-5」  今回公開された新型CX-5は欧州仕様とはいえ、日本市場向けにも動画を配信。担当主査が商品企画を、デザイナーがエクステリアと左ハンドル仕様のインテリアについて説明しました。 【画像】超カッコいい! これが「新型CX-5」です!(30枚以上)  今後は走行性能(ダイナミクス)などについても動画で紹介すると言い、パワートレインについても詳しい説明があるでしょう。  今回公開された車両スペックでは、パワートレインは「e-SKYACTIV G 2.5(マイルドハイブリッド)」の1種類、変速装置は「SKYACTIV-DRIVE(6EC-AT)」です。  備考として、「性能値は市場によって異なる」「マイルドハイブリッド『M ハイブリッド』は欧州、日本などで設定予定」「新ハイブリッドシステム・SKYACTIV-Zは2027年中に導入予定」とあります。  つまり、現行モデルにあるディーゼルの「SKYACTIV-D」は新型CX-5では搭載されないということです。  CX-5を乗り継いできたユーザー、またマツダファンにとっては、マツダの基幹モデルでディーゼルエンジン消滅というのは大きな衝撃ではないでしょうか。  初代CX-5が登場したのが2012年。それに先駆けて、SKYACTIVについての技術説明と実車走行会が広島県三次(みよし)市のマツダ三次自動車試験場で行われ、当時筆者(桃田健史)も参加しました。 「アテンザ」を架装した開発車両で高速周回路とワインディング路をハイペースで走行。SKYACTIV-Gは、一般的なガソリンエンジンより圧縮比が高くてもノッキングが発生せず、低回転域から高回転域まで気持ち良く吹き上がっていきました。  一方、SKYACTIV-Dも従来のディーゼルエンジン設計の常識を覆す低圧縮比でPM(粒子状汚染物質)やNOx(窒素酸化物)など廃棄物の低減を可能としながらも、低回転域から中回転域での力強いトルクによって、クルマ全体のコントロール性が高まっていることに驚いたものです。  そして、量産型CX-5のプロトタイプ試乗会を、千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイで実施。  マツダでいう第6世代の第1弾として、つまり、SKYACTIVのエンジン・トランスミッション技術、魂動デザイン、そして生産技術におけるモノづくり革新の集大成として、CX-5が華々しく世に出た瞬間でした。  試乗した感想としては、やはりSKYACTIV-Dの迫力と使いやすさが印象的。故・石原慎太郎氏が東京都知事時代、ディーゼルトラック規制を強化したことが乗用ディーゼル車に対してもネガティブな印象をもたらし、日本市場では長年に渡り乗用ディーゼル車が途絶えていただけに、マツダの次世代技術によるクリーンディーゼルのインパクトは強烈でした。  CX-5量産後、「マツダ=クリーンディーゼル」というブランドイメージが定着し、その中核にCX-5がいるという構図が続いてきたのです。  それが第3世代となった今回の新型では、大きく方向展開したと言えるでしょう。  背景にあるのは、やはりグローバルにおける環境規制と、中長期的にはEVシフトが着実に進むと予想されるという、大きく2点だと考えられます。  つまり、マツダにとっての「マルチソリューション」が変化したのです。 CX-5のEVが2027年にもデビューする?  マルチソリューションについては、マツダが2025年3月に実施した「マルチソルーション説明会2025」で明らかになっています。  なかでも、新ハイブリッドシステム・SKYACTIV-Zは、排気量2.5リッターの4気筒直噴ガソリンエンジンで、欧州ユーロ7と米国LEV4・Tier4などの厳しい環境規制をクリアできると言います。  新型CX-5では、稼ぎの大黒柱としてマイルドハイブリッドを発売し、本命であるSKYACTV-Zを2027年に導入しながら、2030年代にはSKYACTIV-Zが量産効果によってコスト削減を期待することになるでしょう。 マツダ新型「CX-5」(欧州仕様)  また今回、謎が解けたことがありました。それは、新型CX-5のEVが、SKYACTIV-Zと同じ2027年に登場することです。  マツダからそうしたリリースはまだありませんが、これまでマツダが公開してきた事実を重ね合せると、そうしたシナリオが見えてきます。  まず、マルチソリューション説明会2025で、現行CX-5で架装した実験車両が雪上走行する様子が動画で紹介されました。  現在は取締役・専務執行役員・CTO(最高技術責任者)で、同説明会の開催時は電動化推進担当の常務執行役員だった、梅下隆一氏が「これが、2027年に量産予定のグローバルEVの実験車両」と紹介したのです。  その上で、EV専用プラットフォームとして投影したイメージ図で、薄っすらとSUVっぽいエクステリアが分かるような表現をしています。  さらに、6月に実施した山口県防府工場での視察取材会に参加した際も、プレゼンテーションの中で「2027年導入予定の自社開発バッテリーEVは防府工場で生産予定」と紹介しましたが、それは3月のマルチソルーション説明会2025と同じくSUVっぽいエクステリアが分かるもので、備考として「イメージ画像」とある点が気になりました。  そして今回、公開された新型CX-5欧州仕様のエクステリアが、2027年導入予定のマツダ自社開発EVとかなり近いように感じました。  詳しく見れば、新型CX-5のほうがロングノーズでスッキリしたエクステリアで、EVイメージ図はボディ全体が少しぽっちゃりしていますが、あくまでも“イメージ図”だとすれば、市場導入時期を考えると、2027年登場のマツダ独自EVはCX-5ベースになる可能性が高いように思います。 ※ ※ ※  仮に、新型CX-5にEVラインナップがあるとすれば、SKYACTIV-Zを含めて、新型CX-5がマツダの次世代マルチソリューションの中核になるでしょう。  クリーンディーゼルで本格的に幕を開いた、マツダのマルチソリューションが次のステージに向かうのです。

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