実は日本発祥だった!?…文章だけのコミュニケーションを好印象にする「スタンプ」・「顔文字」・「絵文字」が誕生した理由

誰もが当たり前のように使うSNS。だからこそ、自分でも気が付かないうちに、SNSで周囲の人を困らせたり怒らせたりしていることも。 「褒めたつもりが、相手の気分を害してしまった…」「笑顔スタンプを送ったのに、嫌みと受け取られた…」「自分の投稿に、なぜか反応をもらえない…」「友達申請をしたら、関係が悪化した…」「良かれと思った投稿で、なぜか炎上してしまった…」 こうしたことにはすべて理由があります。そのためにもSNSという「問題」の公式を知り、きちんと使いこなすことが不可欠です。テレビ、ネットでの解説で大人気の著者が、確実に仕事でもプライベートでも役立つSNSの使い方をお伝えします。 『若者はLINEに「。」をつけない 大人のためのSNS講義』連載第36回 『「対話」をするためには「顔が見える」だけでは不十分…オンライン飲み会の「つまらなさ」が明らかにした対面コミュニケーションの重要性』より続く。 スタンプ、絵文字、顔文字ができたわけ 文字や記号を組み合わせて表情を表現する、顔文字というものがあります。 ITmediaエンタープライズの「顔文字の起源はいつ?——The First Smiley :-)」によると、1982年、カーネギー・メロン大学のコンピュータ科学者スコット・E・ファールマン氏が :-) という顔文字を掲示板に書き込んだのが最初だといわれています。記号で笑顔を表現し、冗談ということを示して、書き手の意図を誤解されないようにすることを提案したというのです。 英語圏における顔文字(Emoticon)の代表的なものに、次のようなものがあります。横に倒れたこのような顔文字を、見たことがある人は多いでしょう。 日本で顔文字が誕生したのは、1986年のことです。当時のパソコン通信の一つである、アスキーネットで、障害者関連掲示板のシグオペ(管理人)を務めていた若林泰志氏(わかん氏)が、(^_^)という顔文字を掲示板に投稿したことが起源とされます。 日本の顔文字の代表的なものには、たとえば次のようなものがあります。正面向きのこのような顔文字は、見たことがあるだけでなく、使ったことがあるという方も多いでしょう。 英語圏の顔文字は横型ですが、日本語の顔文字は縦型という違いがあります。しかしどちらも文章コミュニケーションで足りていない表情を付け加え、コミュニケーションを円滑にしたり、誤解されないようにすることを意図したものということは同じです。 述べてきた通り、対面の場合は、笑顔などの表情や口調、身振りなどで意図を正確に伝えることができます。相手の反応を見れば、誤解がないことも確認できます。 ところが、文字だけのコミュニケーションは難しいものです。互いの表情が見えないことで誤解を受けることがあるので、それを補うものが必要というわけです。 LINEスタンプの系譜 絵文字の起源は、政府広報オンラインの「絵文字(emoji)はどのように生まれ、世界に広がったのか?」によると、株式会社NTTドコモの携帯電話端末対応のインターネット接続サービス、iモードの開発がきっかけで1999年に誕生しました。 人の表情や生活上のさまざまなものを12ドット×12ドットのシンプルな図案にデザインし、文字データとして用意。画面サイズや通信量が限られている中で、視覚的で円滑なコミュニケーションを可能にするのが狙いでした。 絵文字は、当初から10代を中心に爆発的な人気を呼び、2004年頃には日本中に定着。2009年にUnicodeへ組み込まれたことで世界基準の汎用文字となり、2012年にスマートフォンで使用可能になると世界中へ普及が加速していったとされます。絵文字は日本発で世界に広がり、今に至るというわけです。 この記事でも、「コミュニケーションにおいて、人は純粋な言語情報よりもそこに込められた感情情報を優先して受け取る傾向が強いため、文の最後に付けられた表情やハートのマークはポジティブな感情の印で、誤解によるディスコミュニケーションを防いでいた」と、絵文字の前駆である顔文字の意義が解説されています。 コミュニケーション上では、文章の内容自体よりも、その文章にどのような感情が込められているのかが重視される傾向にあるのです。 LINEスタンプは、顔文字や絵文字の後継として生まれたものです。 LINE公式ブログの「ボツキャラや初期案も公開!LINEスタンプ誕生ものがたり」によると、「文字を入力しなくても、スタンプ1つで感情を伝えたり、文字のメッセージに添えてより強く想いを込めたりすることができる機能」として人気とあり、やはり感情を伝えるものとして使われていることがわかります。 LINEは日本以外の国でも使われるメッセンジャーサービスなので、言語を使わずにスタンプだけでも会話ができる必要があります。海外で身振り手振りや表情だけでも気持ちが伝わるのと同じように、スタンプがボディーランゲージの役割を果たせるように、どんな国の人にも伝わるように作られたといいます。 つまり、顔文字、絵文字、スタンプはすべて、感情を伝えて円滑なコミュニケーションができるように作られたものであるのは同じなのです。文章だけでのコミュニケーションは難しいこと、表情などを伝えることができず、十分なコミュニケーションができないことがよくわかるでしょう。 『上司への謝罪を「スタンプ」で済ませるのはアリ?…「ビジネスでスタンプを使うこと」に対する年代別の反応の違い』へ続く。 【つづきを読む】上司への謝罪を「スタンプ」で済ませるのはアリ?…「ビジネスでスタンプを使うこと」に対する年代別の反応の違い

もっと
Recommendations

当時高校生だった女子生徒にわいせつ行為か 英会話教室を経営の男逮捕

自身が経営する英会話教室で当時高校生だった女子生徒にわいせつな行…

【辻希美・長女】希空「たべっ子どうぶつLAND」で「全身うさぎさん」 映画「たべっ子どうぶつ THE MOVIE」の “うさぎちゃん” に共通点

元モーニング娘。でタレントの辻希美さんと杉浦太陽さんの長女・希空…

幻覚作用がある麻薬「ケタミン」密輸か ベトナム国籍の技能実習生の男(28)を逮捕 密輸グループの指示役とみて捜査 神奈川県警

幻覚作用がある麻薬「ケタミン」をスロバキアから密輸した疑いで、ベ…

「クマが人を引きずって…」住宅街で襲われ男性死亡 警察や猟友会が駆除する方針 北海道

北海道福島町の住宅街で、50代の男性新聞配達員がクマに襲われ死亡し…

所々でにわか雨や雷雨

きょう・あすは、東北や北海道で晴れる他は、全国的に雲が広がりやす…

ロシア大統領府報道官、メディア検閲「正当化される」「情報空間でも戦争」…言論統制継続の見通し

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は11日付の露誌「エ…

鹿児島県十島村の悪石島で震度4、トカラ列島近海の地震は1883回に

鹿児島県・トカラ列島近海を震源とする地震は12日も相次ぎ、午前…

ヒグマに襲われ新聞配達中の男性死亡、学校やグループホームもある住宅街で…行方わからず

12日午前2時50分頃、北海道福島町三岳で、新聞配達中の男性が…

【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒

7月1日、JR静岡駅には警視庁をはじめ全国から多数の警官が駆けつけ…

深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」

少子高齢化による歪みが急速に大きくなってきている。総務省によれ…

loading...