大地震に噴火、地球の危機…無責任な「予言」に惑わされず冷静に判断

 2025年7月に日本で大地震が起こるといった噂が広がり、香港などで日本への旅行を控える動きが出るなど影響が出ました。  大災害発生などに関する「予言」はこれまでも繰り返し社会を騒がせてきました。読売新聞朝刊の投書欄「気流」には、こうした予言に関する投書が寄せられてきました。記者の心に刺さった投書を紹介する「ササる投書」、今回のテーマは「予言」です。(※投稿者の年齢や職業などは掲載当時。紙面では実名で掲載) 心構えあれば、踊らされることなし  「富士山大爆発」の予言は見事にはずれたが、今回の騒動で痛感したのは、他人の言動に即座に動かされる日本人の通性である。予言者が元気象庁職員で、9月10日から15日間の間に90%の確率と、予測したところに騒ぎを大きくした原因があったと思う。  当の富士吉田市では、観光客が激減したと損害賠償の訴訟を起こすとか。こうなると単なるデマでは済まされない。地震予知は、現在の科学ではまだ不可能のようである。関係者のたゆまぬ努力で近い将来は解明されると思うが、私たちも地域や職場、家族ぐるみで地震対策に万全を期すことが肝要である。  いつでも大地震に対処できる心構えがあれば、予言に踊らされることもなかろう。(50歳・公務員=神奈川県、1983年9月23日掲載) 他国の不幸見て、不安な気持ちに  今、私は怖くてたまらない。にぎやかな街の光景や、ほのぼのとした話題などが、どこか白々しくて、また、いつか壊されてしまうのではないかと、そんな気になってしまう。湾岸戦争、地球汚染、そして地球滅亡の日……。あまりにも、年代が合いすぎて恐ろしい。  今まで日本のことだけを考えていたから、まさか他国の不幸で、こんな不安な気持ちになるとは思わなかった。今さらながら、日本だけが平和なのでは、それは本当の平和ではないと、つくづく感じている。  だれかの書いた大予言……。この種の本を売り出そうとする姿勢には情けなくなるが、それはそれとして、こんな予言は、どうしても覆したい。まさか、その通りの道を歩くことになったら、あまりにも人間は悲しすぎる。(24歳・無職=埼玉県、1991年2月22日掲載) 非論理的で幻想、いい加減うんざり  最近の予言ブームに少々、苦言を呈したい。20世紀も、あとわずかで終わり、石油を背景に戦争が起きたりしたので、再びブームが起きたのであろう。  最近出た何冊かに目を通したが、中にはかなり非論理的で、幻想としか言えないような、作者の「こうなってほしい」という願望を、16世紀フランス人の予言と称し、得々と書かれているものもあり、いい加減うんざりさせられた。  現代が本当に、地球的危機の時代であるならば、いかにそれを国際的協力による、進んだ知恵と技術で、ひとつひとつ解決していくのかをこそ、問わねばならないのではないだろうか。  いたずらに危機をあおり立てる無責任な予言の声にこそ、不安を感じる。(28歳・会社員=東京都、1991年6月25日掲載) 担当記者より  こうした「予言」がはびこる背景には、社会の閉塞感が背景にあるのかもしれません。今回の騒動で気象庁は否定のコメントを出しました。「もしかして……」というのが人間心理ですが、専門機関の適切な情報に耳を傾け、過去の投書にもあるように冷静に判断するのが大事だと思います。(伊藤)  「ササる投書」を随時掲載します。次回もお楽しみに!

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