学歴詐称疑惑を巡り、7日、辞職と出直し市長選への立候補を表明した静岡・伊東市の田久保市長。疑惑が残る中で市長選はどうなるのか?さらに、立候補に意欲を見せるある人物を取材しました。 8日、一連の騒動による市政の混乱について職員の前で初めて直接謝罪を行った伊東市の田久保真紀市長。 報道陣には非公開で行われましたが、その時間は…わずか“5分”。そこでは一体何が語られたのでしょうか。 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「私の一身上の都合で職員の皆様にも大変不安とご迷惑をおかけしたということで謝罪をさせていただきました」 その上で…。 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「まずは市政に混乱が無いように私の方がしっかりと務めてまいりたいと思っている。その気持ちを伝えさせていただきました」 しかし、職員たちが聞きたかったことには触れなかったようで…。 (伊東市 近持 剛史 企画部長) 「一番僕らも聞きたかったんですけど、進退につきましては昨日の記者会見で話しましたので、そちらを(見て)ということで、特段その説明はありませんでした」 今や全国から注目されるほど自身のことで大きな混乱を与えているにも関わらず、その影響を一番に受けてきた伊東市の職員に対しても記者会見以上のことは語られませんでした。 そして、その進退については…。 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「できるだけ市政に影響がないタイミングでさせていただきたい。残された時間が少ない認識であれば、まずは全力で市政に影響がないように」 市政に影響が出ないことを強調しましたが、しっかりとした説明もない中で苦情電話の対応など、すでに様々な影響を受けている職員との間には大きな隔たりがあるようです。 (伊東市 近持 剛史 企画部長) 「僕らの印象ですと、せめて幹部には、きのうの記者会見の前に市長の進退または今後の市政運営については話をしていただいて、お互いに情報共有しながらやっていきたいという思いはありましたけども、やはり記者会見で(辞職を)初めて聞いた。また、きょうの会見でもその辺の内容しかないので、少し困惑している状態です」 こうした一連の動きに、地方自治を管轄する総務省からも指摘が…。 (村上 誠一郎 総務相) 「市民の信用を得るかどうかの重要な問題ではないかと思います。そういう面において、市長自身において、市民をはじめとする関係者にきちんと説明されるべきものだと私は考えております」 肝心な点については説明されないまま、田久保市長の表明でにわかに動き出した“出直し市長選”話。 担当する市の選挙管理員会に行ってみると…。 (伊東市選挙管理委員会 鈴木 康之 事務局長) 「選管としてはスケジュール感がはっきりしていないので、今のところはなかなか準備に戸惑っている」 ひとたび選挙になれば、様々な準備が必要となるといいます。 (伊東市選挙管理委員会 竹安 卯起さん) 「一般的に準備に投票所の確保、続いて投票用紙の調整も必要になるし。そういった諸々の作業が発生する」 そして、その選挙には多額の税金が使われることになりますが…。 (伊東市選挙管理委員会 鈴木 康之 事務局長) 「今年度すでに市長選挙が行われているが当初予算でおよそ3千万円を計上しているから同額の3千万円を見込んでいる」 この“出直し市長選”への立候補に意欲を見せる人が…。 それは、5月の市長選で、田久保市長に敗れた小野達也 前市長。 (小野 達也 前市長) 「元はと言えば私が敗戦してしまったことが原因になりまして。ネガティブな醜態をさらしてしまい、もうほんとに残念な気持ちです」 一度は苦汁をなめた小野前市長ですが、ここにきて市民の声にも変化があるといいます。 (小野 達也 前市長) 「今の市長のいろいろなことが報道され始めまして、ややり小野じゃなきゃダメだったという声が日に日に増えていく中で。やはりなんとか収めるには自分がやるしかないんじゃないかという気持ちもやはり心のどこかにあるのが現在の状況ですね」 このように、“出直し市長選”への出馬に意欲を見せました。 そして、9日午後3時過ぎ…伊東市役所に姿を見せた田久保市長。 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「きょうは事務処理が溜まっているので来ました」 Q.総務大臣の言及については? 「まだ拝見していないので、後ほど拝見したいと思います」 そう語ると、足早に庁舎内へと入っていきました。 今後、田久保市長はどのような動きを見せるのでしょうか。