【アルフィスタ必読】思い出したのはアルファスッド!アルファ・ロメオ・ジュニアはその気にさせるディテール満載

クルマ好きを騒がせるのは珍しいことではない アルファ・ロメオがミラノで創業したのは、1910年6月24日。それからちょうど115年後、日本で新しいコンパクトSUVの『アルファ・ロメオ・ジュニア』が発売された。 【画像】アルフィスタに刺さるディテール満載!新型コンパクトSUV『アルファ・ロメオ・ジュニア』 全149枚 ただしクルマ好きの中には、当初はミラノという車名で発表されたものの、直後にイタリア政府から変更の要請があり、ジュニアにネーミングを変えたというエピソードを覚えている人もいるだろう。 取材車両は200台限定の『アルファ・ロメオ・ジュニア・イブリダ・スペチアーレ』。 神村聖 しかもそのデザインは、とりわけフロントマスクに対するコメントが賛否両論だったことも記憶している。 でもアルファの顔がクルマ好きを騒がせるのは、珍しいことではない。『醜い』とまで言われた初代ジュリア、『イル・モストロ(悪魔)』と呼ばれたES30型SZ/RZなどが、すぐに思い浮かぶ。 それにメディア向け試乗会で対面したジュニアは、最初に写真で見たときより、違和感は薄かった。ライセンスプレートがオフセットされていたからだ。 アルファのライセンスプレートは、スパイダーではかなり昔から、ベルリーナでも156あたりから、左側にオフセットして装着することが一般的だった。その様式は現行各車にも受け継がれているが、ジュニアは欧州仕様では、中央に取り付けてあった。なのに日本仕様はオフセットしていたのである。 天地が長い日本のプレートでは、ADAS用センサーが干渉するのでこの配置になったのかもしれないが、ビジュアルではかなり得をしている。 コーダトロンカの処理もスッドっぽい 試乗車はデビューを記念した200台限定の『イブリダ・スペチアーレ』で、ハイブリッドでありながら中央の盾の中が、電気自動車の『エレットラ』と同じ『プログレッソ』デザインとなる。写真で見たときは正直「エーッ?」だったが、実物は悪くない。 さらに真横からの眺めは、半世紀前にこのクラスを担当していたアルファスッドを思わせるし、リアもコンビランプのレイアウトは異なるものの、コーダトロンカの処理もスッドっぽい。 イブリダ・スペチアーレはサベルト製スポーツシートなどを装備する。 神村聖 インテリアはさらにアルファらしさが濃厚だ。丸をモチーフにしたメーターカバーとエアコンルーバー、ドライバー側にチルトしたセンターディスプレイ、高めのセンターコンソールなど、その気にさせるディテールが満載だ。 極め付けは、スペチアーレにレザー&アルカンターラステアリングホイールとともに装備される、サベルト製スポーツシート。本格的なバケットシートのように、背もたれにスリットが入っている。BセグメントのSUVとは思えない、コンペティティブな仕立てだ。 とはいえ座面にも背もたれにも相応のクッションは入っているので、座り心地はガチガチではない。リアシートは身長170cmの僕なら余裕をもって座れるし、ラゲッジスペースは開口部が広くフロアは2段階にセットできるなど、実用性もしっかり押さえていた。 低くてちょっとビートの効いたサウンド 今回試乗した特別仕様車『スペチアーレ』も含めて、イブリダが搭載するマイルドハイブリッドシステムは、1.2L直列3気筒ターボに2つのモーターを組み合わせ、6速デュアルクラッチトランスミッションを介して前輪を駆動するもの。 ステランティス・グループのブランドでは、シトロエンC4やフィアット600、最近日本で発売されたプジョー3008に積まれているものと同じ。僕はシトロエンC4でこのユニットを体験済みだ。 ジュニアは、今のアルファのエントリーモデルとしてふさわしいと言える。 神村聖 加速感もC4に似ていて、メカニカルなトランスミッションを用いるシステムらしく、エンジン車と運転感覚が近い。これはアルファというブランドにとって間違いなくプラスだ。しかも車両重量はC4より30kg軽いので、より活発に感じる。 3気筒ターボは、アルファ独自の味付けをしてあるようで、低くてちょっとビートの効いたサウンドが、アルファスッドの水平対向4気筒を思い出させる。ハイブリッドでありながらマフラーが2本出しというのも嬉しいポイントだ。 ドライブモードはこれまでのアルファと同じ『DNA』の3モード。 A(アドバンストエフィシェンシー)でも不満のない加速を示すが、メーター表示も変わるD(ダイナミック)が、やはり本来の姿だと思ってしまう。 それでいて発進停止はスムーズで、減速時は回生ブレーキが明確に効いていることが体感できるなど、ハイブリッドとしての仕事もしっかりこなしている。 乗り心地は、路面の感触をリニアに伝えつつ、ショックは絶妙に和らげてくれるという、イタリアンスポーツらしいフィーリング。18インチのタイヤは硬さを感じるものの、バネはガチガチではない。 ステアリングのロックトゥロックは2.5回転ぐらいで、市街地では扱いやすく、スピードを上げるとクイックに感じる。身のこなしは背の高さを感じさせず、コーナーでは安定感の高さが印象的だ。 ジュニアのようなエントリーモデルにとって大事なのは、多くのユーザーが違和感なく乗れ、苦労せず持ち続けられること。なので走りの個性はほどほどに留め、デザインでらしさをアピールするのが良いと考えている。 ジュニアはそういう意味では、今のアルファのエントリーモデルとしてふさわしい。少なくとも、僕のようにかつてのGT1300ジュニアを知るような人間が、お小言を口にするようなモデルではないということだ。

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