コロナ下の２０２１年にがんで亡くなった人が「望んだ場所で最期を過ごせた」と、感じている遺族は６割に上るとの調査結果を国立がん研究センターがまとめた。 前回から１２ポイント強増えた。自宅療養を選ぶ傾向が病院などの面会制限で強まったことが一因とみられる。 調査は、人生の最終段階での生活状況を把握しようと２４年に実施。２１年にがんに加え、心疾患や老衰など１０の原因で亡くなった患者の遺族を対象にアンケートし、回答のあった１万８９０人について分析した。 その結果、亡くなる前の１か月間、がんの患者が望んだ場所で過ごせたと答えた遺族は６０・２％いた。１９〜２０年に行われた前回調査から１２・３ポイント増え、全ての原因の中で最も高かった。最期の療養場所について医師と患者で話しあったと答えた遺族はがんで５２・９％と原因別で最高だった。 病院などの制限で思うように面会できなかったと答えた遺族はがんで６５・７％に上り、面会制限を避け自宅療養を選んだと答えたのは１１・４％いた。同センターの中沢葉宇子・指標モニタリング評価研究室長は「国が推進する最期の迎え方を話し合う時間を持てたうえに、面会制限への回避が重なり、患者の望みがかなう結果になった可能性がある」と話している。
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