いま日本で謎の死が増えている——。コロナ禍以降、有名人が癌で亡くなるニュースが相次ぎ、癌の死亡者数が急増しているのはなぜなのか。効果が疑わしいワクチンや無意味な医療を、国や医療界が推奨し続ける背景には何があるのか。日本の医療界に潜む巨大な闇に、地域医療で奮闘する在野の医師がメスを入れる正義の一冊！6月5日発売の新刊『何かがおかしい 「がん急増」の謎』より抜粋・再編集して、内容の一部をお届けする。 『何かがおかしい 「がん急増」の謎』連載第25回 『国内外で「ワクチンの追加接種をしない」選択をする医師たち…「集団免疫」の名のもとに「副反応による死亡者」を増やした過去』より続く。 コロナワクチン試験の問題点 医学エビデンス界の最高峰「コクラン」の創立メンバーであるピーター・ゲッチェ氏は、ワクチンを打たない理由について、ワクチンにまつわるさまざまな問題点をあげています。彼の著書『ワクチン——その真実と嘘、そして論争（Vaccines: Truth, Lies, and Controversy）』から少し引用してみます。 『今回のコロナワクチンは、これまでに見られなかった驚くべきスピードで開発されました。武漢での発生から最初の3つのワクチンが緊急使用の承認を受け、大規模な試験の中間分析がランセットとNEJMに掲載されるまで、わずか1年しかかかりませんでした。』 『今回の新型コロナワクチンは、開発したそれぞれの企業がワクチンの臨床試験を行いました。試験の結果は一見優秀でした。しかし、それらのどれも適切に盲検化されていませんでした。その管理は非常にずさんで、一部の患者または研究者がワクチンまたは対照が投与されたかどうかを知っていた可能性があります。』 ワクチンの安全性を確かめる試験では、「本物のワクチンを打つ人」と、「偽薬（プラセボ）を打つ人」で結果を比較します。盲検化とは、「接種する医師にも、接種される被験者にも、どちらの注射が本物かをわからなくすること」を指します。この盲検化がしっかり行われていないと、「本物の薬だけ結果が良くなるように、無自覚なまま操作してしまう」といったことが起きます。これによって製薬企業に有利な結果が出てしまう可能性があるわけです。 「盲検化」の不徹底 要するにゲッチェ氏は、「盲検化」がしっかり行われていないため、コロナワクチンの試験結果には疑問が残る、と言っているのです。 『（ファイザーの臨床試験では）多くの被験者が分析から除外されていました。除外された人数はワクチン群で311人と多数だったのに対し、偽薬群は60人のみでした。偽薬群よりも多くの患者がワクチン群から除外された理由の説明はありませんでした。』 「除外される人数」とは、実験開始後に連絡が取れなくなった等、やむを得ず分析対象から除外した人の数です。本来、しっかり「盲検化」されていれば、「本物のワクチンを接種した群」「偽薬を打った群」で、「除外される人数」はほぼ同じになるはずです。 ファイザーの臨床試験では、「本物のワクチンを接種した群」も「偽薬を打った群」も、同数（約1万8000人）でしたが、「本物群」でコロナを発症した人数はたった8人。一方、「偽薬群」でコロナを発症したのは165人。これをもって「コロナワクチンの有効率は95パーセント」とされたのです。 しかしこの時、「本物群」から311人も除外されていたのですが、「偽薬群」からは60人しか除外されていませんでした。製薬企業に都合のいいデータを取るため、「本物群」からコロナ発症者を除外し、ワクチンの有効率が高く出るように操作したのでは、という疑惑があるのです。同じように都合のよい「除外」をしていたのが、先に述べた長崎大学のVERSUSでした。 【前回の記事を読む】国内外で「ワクチンの追加接種をしない」選択をする医師たち…「集団免疫」の名のもとに「副反応による死亡者」を増やした過去