戻ってきた「駐在さん」は信頼厚い「ドラえもん」…福島・大熊町で14年ぶりに再開した駐在所

 福島県大熊町の帰還困難区域を、県警双葉署地域交通課の巡査長、二瓶隼斗さん(31)がパトカーで走る。  建物の解体工事の音が響く中、除染土などが詰められた黒い袋が車窓を流れていく。犯罪の兆候がないか、無人の家屋を1軒ずつ見て回る。「戻ってくる人、移住してくれる人が安全に生活できる町にしたい」。背丈まで茂る雑草をかき分け、あの日から時間が止まったままの住宅街を歩いた。  東日本大震災による福島第一原発事故で閉鎖され、今年4月、14年ぶりに再開した大熊駐在所に、二瓶さんは住み込みで勤務する。町には一部で避難指示が解除された2019年、集会所を借り受けた臨時駐在所が開設されたが、昨年3月に着任した二瓶さんも1年間は町外から通っていた。  子供たちの登校の見守りから始まり、町内の巡回や住民への防犯指導など一日はせわしなく過ぎる。空き巣などの犯罪が認知しにくいといった、帰還困難区域を抱える自治体ならではの課題は多い。全国で頻発する強盗などの凶悪犯罪に、不安を覚える住民の声もある。  それでも、町民の一人として共に寝起きする「駐在さん」への信頼は厚い。巡回中、パトカーに向かって手を振る女の子や、玄関先から敬礼を返す男性の姿があった。漬物や産みたての卵をお裾分けされることもある。「ありがとう」や「いつでも来なよ」という何げない一言が励みになる。  会津若松市などで避難生活を送り、古里に戻って7年目の男性(73)は「何でも出てくるポケットを持ったドラえもんみたい。人を守るためなら、何でもやってくれるから」と話す。二瓶さんが、恐縮したように苦笑した。「見た目は、そのまんまですけどね」

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