愛しい我が子……ですが、初めての妊娠や育児でどうすればいいか分からないことがある。そんな母親を救いたいとあるカフェが7月9日にオープンします。どんな施設なのでしょうか。 ◆夜泣きが辛いと感じる母親は約6割 民間の調査会社によりますと、赤ちゃんの夜泣きが辛いと感じた経験のある母親はおよそ6割いるといいます。 (※育児中の女性1404人への調査 ルナルナ調べ) ◆初めての育児で悩み 元気に遊ぶ男の子。ママと遊具へ向かう女の子。 6歳の碧都くんと3歳の透叶ちゃん兄弟です。 2人の母、滝沢日向子さん。子どもたちと触れ合う時間が何より幸せです。 でも初めて育児をしたときにはある悩みを抱えていました。 <2児の母親 滝沢日向子さん> 「私は同居だったので、旦那の実家で子育てしていてすごい理解のあるおうちだったから、その辺は気兼ねなく頼っていたけど、夜寝るときは私だけという感じのときはありました」 普段は家族が協力してくれていましたが夜は赤ちゃんと2人きり。 ◆「夜泣き」 眠たい時間に寝られない「夜泣き」に悩まされたといいます。 <2児の母親 滝沢日向子さん> 「育児の大変な真っただ中のときは怪獣に見えちゃうじゃないけど、もう……みたいな。『もう泣き止んでよ』ってなっちゃう」 「子どもはかわいいけど、ずっと一緒にいると疲れてしまうのは感じるから何か息抜きできるのは大事だしそういった時間が必要」 ◆県内初となる夜間の子育て支援施設 愛おしい我が子と過ごすかけがえのない時間。でも、ずっと一緒にいると優しくできないことがある。 かつての自分のように子どもの夜泣きに悩む母親に手を差し伸べたい……そんな思いからオープンを決めたのが。 ママと赤ちゃんが夜中に駆け込めるカフェ「ヨナキリウム」です。 ここは県内初となる夜間の子育て支援施設。 夜の海をイメージした落ち着いた空間を目指しています。 ◆ヨナキリウム 利用料金は1回500円。プラス200円でドリンクバーがつくほか仮眠室など母親が休める環境が整っていて、手ぶらで来られるようミルクやおむつなどを販売する予定です。 <滝沢日向子さん> 「夜、悩めるママさんたちが集える場所があったら理想的すぎると思って全国を調べてもなくて、じゃあ私が作ろうと思って、今回作らせてもらいました」 ◆夜泣きがつらい理由 民間の調査会社が育児を経験した母親に聞いたところ夜泣きがつらいと感じた経験のある人はおよそ6割。 その理由としては睡眠時間が取れないや泣いている理由がわからないまたいつ夜泣きが収まるのかがわからないなどが挙げられました。 ◆「一人じゃない」 悩める母親の拠り所としてオープンする夜カフェ「ヨナキリウム」。内覧会には生れたばかりの赤ちゃんを連れた母親の姿が……。 <訪れた母親> 「こういう場所があると一人じゃないかなという感じで」 「早く朝にならないかなとか、夜怖いなと思って一緒に泣いていたこともあったのでこういうところで同じようなお母さんと会って話すことができたら心が楽になっていいかなと思いました」 ◆ヨナキリウムにカフェを貸し出す 滝沢さんと一緒にヨナキリウムを立ち上げた斎藤奈月さん。 斎藤さんは同じ建物でカフェの店長を務めていて2階を週1回のヨナキリウムに貸し出しています。 西蒲区の職員「基本的に暗いの?」 斎藤「暗いです」 西蒲区の職員「赤ちゃんを寝させるために?」 斎藤「寝なくてもいいんですが落ち着いた空間基本的にはママがリラックスするための空間という意味と暗いほうがおしゃべりがしやすいというか」 ◆「ママたちの居場所を作りたい」 齋藤さんも8歳と6歳を育てる子ども2人の母親。 「ママたちの居場所を作りたい」そんな滝沢さんの思いに賛同しました。 <斎藤奈月さん> 「ヨナキリウムにつながる夜泣きカフェという企画を聞いて絶対できる、絶対ここなら成立できるという自分の中でも確信があった」 ◆母親にとって必要なケアは 初めての育児……初めての夜泣き……母親にとって必要なケアは何か。 <たかき医院 仲栄美子医師> 「子育ては決してお母さんひとりでするものではないと思っています」 こう話すのは十日町市で産院を経営するたかき医院の仲栄美子医師です。 大切なのはママがひとりで抱え込まないこと。 ヨナキリウムのような施設に頼ることはもちろんまずは周囲のサポートが重要だといいます。 <たかき医院 仲栄美子医師> 「困ったお母さんがいつでも駆け込める場所になってもらえると本当にありがたいと思いますし……児童虐待特に産後1か月以内に虐待死が多い話になっていますので、そこを救っていいける良い試み、良い場所になり得るのではないかと」 決して、一人じゃない。家族はもちろん多くの人に頼ることが赤ちゃんにとっても母親にとっても欠かせないと指摘します。 <たかき医院 仲栄美子医師> 「お父さん方の育休も非常に取得しやすい時代になっていますのでなるべく育休などを利用して、何かあったときに助けてあげられる位置にいる……普段と違うお母さんが絶対少し見えるはずなのでそこに周りの家族の方が気が付いて早くヘルプを出してもらえるといいのかな」 ◆子育てしやすい環境づくりを 二人の母親が立ち上げた新潟市西蒲区の「ヨナキリウム」。滝沢さんはママの心の健康が子どもの明るい未来につながると語ります。 <滝沢日向子さん> 「私たちができるのは育てる側の状態をケアして子育てしやすい環境づくりにつなげること。それが結局、子どものためになると思っている」 目指すのは「地域のみんなで子どもを守り、育てていく環境」 ヨナキリウムは7月9日オープン予定で、はじめは週に一回、毎週水曜の午後10時から翌朝6時まで。今後、オープンする日を徐々に増やしたいとしています。