暑い日が続き、冷たいお水も欠かせない毎日ですが、もしかしたらこの先、「水道料金の大幅な値上げが必要になるかもしれない」そんな試算が発表されました。 【写真で見る】老朽化は水道管だけじゃない…橋、遊具、信号も 水道料金が8割値上げの可能性?更新が必要な“水道管”の現状 南波雅俊キャスター: 老朽化するインフラについては切実な問題です。 6月28日に神奈川・鎌倉市で、水道管が破裂したことにより、1万世帯で一時断水しました。60年以上前の水道管だったということです。 下水道にはなりますが、埼玉・八潮市の陥没事故も「下水道管の劣化」が大きな原因でした。 水道管に絞って見ていきます。 基本的に50年を超えると“大きく劣化をしている”という目安になってきます。 国交省の資料によると、「50年を超えた水道管の割合」は、2023年の段階では約9%。ただ2030年では約21%、2040年では約41%になります。 【水道管 50年を超えた割合】国交省資料より 2023年3月:約9% 2030年3月:約21% 2040年3月:約41% 実際、新しい水道管は綺麗な銀色をしていますが、だんだんと腐食が進み、漏水や破損の原因になるということです。 こうした古くなった水道管を新しくするために、水道料金のみで賄っていこうと考えると、2023年度の平均月額水道料金・約3400円を、83%増やさなければなりません。その金額は約6200円になるとのことです(財務総合政策研究所の分析を基に計算)。 近畿大学の米田昌弘名誉教授は、「日本では蛇口をひねれば、すぐに水が出るので、“タダ”のような感覚の人も。管理には予算も技術も人材も必要。その意識を持つことが大事」だと話しています。 日比麻音子キャスター: 数十年というスパンで考えると、ゲリラ雷雨があったり、環境が変わっていて、施設などそれぞれ想定を超える負担がかかっています。なので、何とか補填しなければいけないのはわかるのですが…。 山内あゆキャスター: 東京オリンピックのときに作られた「インフラ問題」は、ずいぶん前から言われていたのに、ここまで対策してこなかったのかなという気はしてしまいます。 南波キャスター: 八潮市の陥没事故の下水道管は、設置してから50年経っていないものでした。50年経っていなくとも、そういうことが起きてしまうので、素早く対策をしていく必要があると思います。 水道管のみならず「橋」「信号機」も続々と老朽化 南波キャスター: いま、対応が必要なのは水道管に限らないという状況があります。 例えば「橋」。現在、修繕が必要な橋が、全国で約4万4000以上が未完の状況にあります(国交省によると・2023年度時点)。 また、「遊具」は設置後、20年以上経過すると劣化すると言われています。都市公園のみで、全体の半分近く(48.4%)を占めるものが、20年以上経過しているとのこと(国交省によると)。 さらには「信号制御機」いわゆる「信号機」の耐用年数は19年です。19年を超えているものは全国の4分の1あります。 インフラに限らず、様々なものが老朽化しているという状況にあるのが現状です。 近畿大学の米田昌弘名誉教授に「私達にできること」を聞いたところ、「何かおかしいと思ったら、自治体に報告するなど、“自分ごと”だという意識を持つことが大事」とのことです。 アプリで道路異常報告も 街の問題を市民が投稿 南波キャスター: 「My City Report(マイ シティ レポート)」という街の問題を市民が投稿するアプリもあります。 インフラの不具合を発見するなど、市民の協力を呼びかけるために、千葉市が開発したものです。今では、港区や品川区、神奈川県や和歌山県などでも利用されています。 水道管となると、見えないので難しいとは思うのですが、インフラの状況など対応をしてもらえるアプリがありますので、私達ができることの1つの参考になるかなと思います。 山内キャスター: プロの検査員に任せるだけではなく、私達の見た情報そのものを提供することで、手当てをどこにすればいいのかが分かるのは、コストダウンにもなるかもしれないですね。 日比キャスター: 自分たちの街は自分たちで守るという意識ですね。ただ、資金のやり方や手のかけ方などは、早急な見直しをしてもらいたいものです。