神村学園(鹿児島)、4強の壁破るため「0・1秒の短縮」…2025夏の高校野球注目校紹介<下>

 全国高校野球選手権の代表49チームを決める地方大会が、各地で始まった。  この夏にかける注目校を紹介する。  鹿児島県いちき串木野市の野球部グラウンドで選手たちは次々に立ち止まり、来客に大きな声であいさつをしていた。「細部に目配り、気配りをできるチームにしか日本一は見えないと思う」。小田大介監督は強調した。  夏の甲子園では2年続けて準決勝で悔しさを味わった。昨年の関東一(東東京)戦は、1点を追う九回二死一、二塁、中前に同点となったかと思われる打球が転がったが、中堅手の好返球で二走が本塁で刺された。一昨年の仙台育英(宮城)戦では三回、際どいタイミングのスクイズを成功されて勝ち越されたのをきっかけに失点を重ねた。 甲子園に魔物がいるなら  勝負を分ける紙一重のところで小田監督が感じるのは、重圧をはね返す気持ちの強さがあったかどうか。「甲子園に魔物がいるなら、自分の心が生み出している」。土壇場でも自信を持ってグラウンドに立てるようにチームに「0・1秒の短縮」をする意識を植えつけてきた。  反応や判断を0・1秒速くすれば、それだけ早く動き出せる。距離にして約70センチ。正確なプレーの積み重ねが0・1秒を縮め、一歩先へ到達できるようになる。練習では、タッチをしやすい位置への送球、走塁時のスタートなど基本的な動作から鍛えてきた。さらに、日常のすべてが野球につながると考え、生活習慣も見直した。あいさつやごみ拾い、授業中は勉強に集中するなど、一つ一つをおろそかにしないように心がけた。  「試合で的確に動けるようになると考え、みんな普段の生活から意識して過ごしてきた。球際に強い守備、ワンヒットで二塁からかえる判断力が身についてきている」と主将の今岡拓夢(3年)は胸を張る。  現チームは発足後、3度の県大会をすべて制してきた。実力は十分だが、甲子園に向けてまずは手の内を互いに知るライバルを相手に鹿児島大会を勝ち上がらなければならない。  1メートル85の長身から最速150キロの速球を繰り出す九州屈指の右腕・早瀬朔(3年)は「焦らず目の前の試合に全力を尽くせば、先が見えてくるはず」と力を込めた。心身ともに充実する選手たちが、隙のない野球で夏に挑む。(上本虎之介)

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