【解説】参院選公示直前…最新世論調査結果について党首討論踏まえ政治ジャーナリスト・青山和弘氏が詳しく(静岡)

参院選の公示があさって3日に迫りました。Daiichi-TVが加盟するNNNと読売新聞が行った最新の世論調査の結果を、党首討論の様子をまじえてお伝えします。 NNNと読売新聞が6月27日から29日まで行った世論調査で、どの政党を支持しているか、尋ねたところ、自民党は23パーセントで前回5月の調査から2ポイント下がり、2012年に政権に復帰して以来、2024年3月と並び最低タイでした。 また、6か月連続で自民党に次いで2位だった国民民主党は5パーセントで前回より6ポイント下がり3位に後退しました。 立憲民主党が6パーセントで2位でした。一方、参政党が前回より4ポイント上がり5パーセントで3位タイに浮上しました。 「支持する政党はない」は前回から2ポイント上がり43パーセントで回答として最も多くなりました。 石破内閣の支持率は前回とほぼ横ばいの32パーセントでした。 7月の参議院選挙の結果、自民党と公明党の与党が過半数の議席を維持する方が良いと思うか、には「思わない」が48パーセント、「思う」は37パーセントにとどまりました。 7月1日、日本テレビで行われた党首討論では、各党の党首がこの世論調査の結果に対しての見解を述べました。 (石破 茂 首相) 「私も国会議員なって40年目なんだけれども、その頃、40年前とはもう全く政党…『この党なかったよね』って…いっぱいあるわけです。それが同じようにいわゆる保守って定義は難しいんだけれども、やはり『日米安保は大事だよね』というような、そういうような保守の政党がいくつも出てこられたと。やはり、そういうような多様化、分散化ということになっていますが、やはり支持率を上げられるように、もっともっと努力をしたいと思っています」 (国民民主党 玉木 雄一郎 代表) 「先の都議会議員選挙で、われわれゼロ議席だったんですが、9議席をいただきまして、都内ずっと回りましたけれども、やはり国民民主党、あるいはわれわれの政策ですね、手取りを増やす、この物価高の中で、そういった政策を『しっかり進めてくれ』という…その期待は 予想以上でしたので、ぜひ反転攻勢図っていきたいなと思ってます」 (参政党 神谷 宗幣 代表) 「とにかく、地方の党員さんなどが一生懸命頑張っていただいて、都議選でスポット浴びてですね、やっと認知をされるようになったかなという風な手応えであります。また、キャッチコピーで『日本人ファースト』というような問題をかかげて、グローバリズムですとか外国人の問題とか…あまり他党のみなさんが触れてこなかったような論点を指摘したこともですね、参政党に指示を集めるきっかけにはなったかなという風に思います」 (スタジオ解説) (津川 祥吾 アンカー) ここからですね、この世論調査の中での各党の政党指示率について、青山さんと一緒に見ていきたいと思います。 今、投資討論の中で出てきた数字は、参議院選挙での比例代表での投票先というものでしたが、ちょっと数字、政党支持率なので、数字が若干違いますけれども、この支持率…ぱっと見ると自民党の支持率が上がっている傾向があるという解説がありましたが、この表だけ見るとですね、やはり自民党が突出してるなと…他の政党、公明党も含めてですね、野党もみな実は一桁だなということが分かりますが、一方で支持政党なしというのが43%ということで1番大きいということですが…青山さんはこの数字とですね、あと各党の党首のみなさん、この数字の受け止め方の話も含めてどのように感じましたか? (政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏) やはりこの支持率を見ると、まさに津川さんがおっしゃったように、自民党は確かに大きいですが、政権与党なのでね、これぐらいあるのはまある意味当たり前なんです。この、支持政党なしの43%が、一体ではどこに行くのか…というのが何よりも大事なんです。やはり先ほどVTRの中には出てきた、今、与党が過半数を維持する方が良いと思う人が、やはり「思わない人」の方が多くなってるわけですね。「思わない」が48%ということになっている…となると、この支持政党なしの人が、やはり自民党や公明党には入れにくい状況になっているということは言えると思うんです。そうなってきた時に、まずは国民主党が受け皿になってきた。立憲民主党にも自民党にも入れたくないという人は国民民主党に受け皿になっていたのに…国民民主党が参議院選挙の候補者擁立の問題などもあって、この政党支持率を下げた。そんな中で、それを参政党がですね、今、新しい勢力として少しそういった人たちの票を集めてきている。人気を集めてきているというのが見て取れるような政党支持率。ただ、今後の情勢次第でですね、やはりこの支持政党なしの人がどう動くのか、これがやはり大きなポイントになるということがよく分かる…支持率だと思いますね。 (徳増 ないる キャスター) 参院選の最大の争点「物価高対策」について、自民党は、国民1人あたり2万円の現金給付を公約に掲げています。党首討論でも各党が意見を戦わせました。 先週6月28日・土曜日、静岡・沼津市で行われた会合で、石破首相は1人2万円の給付金について理解を求め、野党が主張する減税を批判しました。 (石破首相) 「1年にかかる食費、外食、お酒を除いたら27万円ということになります。27万円に物価上昇率7パーセントかけると大体2万円ということになります。消費税って忘れてはいけません。医療、年金、介護、そういう社会保障の財源なのです。本当に大切な財源なのです」 世論調査では、自民党が参院選の公約に盛り込んだ、国民1人あたり2万円の現金給付について、「評価しない」が66パーセント、「評価する」は28パーセントでした。 党首討論で、野党からは。 (立憲民主党 野田 佳彦 代表) 「われわれは、減税を軸として、一方で給付も適切に組み合わせていくという考え方なんです。総理がおっしゃった通り、減税をやる場合には、税制改正を伴いますので、実施できたとしても4月1日以降ですから、ただ、それは必ずやらなければいけないと思ってましてね、例えば4月だけで4000品目の食料品の値上げがあって、この7月も2150品目です。これは去年に比べて5倍ですよ。同じ4月で。これにストップかけるためには、やはり消費税…減税というのは大きいと思いますが、それまでの間のつなぎの政策として一律の2万円というのは大事だと思っています」 (日本維新の会  吉村 洋文 代表) 「食料品は生活の基礎ですから、貯金に回るでもなく実際に必要な食料に使うということですので、僕は食料品の消費税をゼロにするべきだと。2年間ゼロにするべきだと思います。そして、何より重要なのは、社会保険料を下げるということなんです。ここはね、グラフに出してもらえていないけれども、維新が1丁目1番地で今訴えているのは、高すぎる社会保険料を下げると…」 (スタジオ解説) (高山 基彦 キャスター) ここで“給付と減税”各党の政策についてまとめます。VTRにもありましたように「自民・公明」の与党は「2万円の現金給付」。一方、野党は「立憲」と「れいわ」に関しましては給付と減税どちらともと主張しています。そして消費税の減税を訴えているのが「維新」、「国民」、「参政」、「共産」となっています。ただ、この各党によっては少し内容が異なってきている、そんな状況です。 (津川 祥吾 アンカー) 物価対策として給付なのか減税なのかという議論なんですが、給付ということに関してはコロナの時もやっていますし、古くは地域進興などもありました。ただ、今回、自民党、特に石破さんがですね、給付をやると言ったことに対して世論調査を見ると…あまり評判が良くないんです。これはいかがですか? (政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏) そうですね、やはり私は、この給付ということ自体にも国民がある意味慣れてしまっていて、ありがたみを残念ながら感じなくなってきてるんだと思うんです。しかも、やはり今、税金も高いですし、一方で社会保険料が何よりも高い。そうやっていろいろ取られているのに、給付するぐらいだったら、『先に取るのやめてくれ』という声がやはり世論では圧倒的なんですね。この評価しないが66%というのは、そういう声だと思うんです。このことはですね、石破さんは分かっていて、1回は、給付という話を断念したのにもかわらず…やはり「無作だ無策だ」みたいなことを言われて、消費税減税に踏み切ることはもうできないとなった時に、もう1回、この給付というのが浮上してきてしまった。やはり減税に踏み切らなかった時に、「日本の財政状況は悪いんだギリシャよりも悪いんだ、だからそんなお金はないんだ」とさんざん言ってきたのに…「給付するお金はあるじゃないか」という…そう突っ込みに対してですね、非常に苦しい立場に追い込まれてしまったんですね。やはりこの対立軸の作り方が、やはり石破さんにとっては非常に、やはり厳しかったという風に言わざるを得ないと思います。やはり、小泉さんの「米改革」というか、「小泉劇場」でちょっと支持率が上がって、自民党内にはなんかほっとしたムードが流れていたのに…一気に相殺してしまったと言っていいと思います。 (津川 祥吾 アンカー) 私も、永田町のいろいろな人のお話をうかがっていて、実は、今回の参議院選挙、当然、夏にあるということはずっと前から分かっていたんですが、自民党・公明党、与党は議席を減らすかもしれないけれども、そう大きくは負けないんじゃないかというような…あまり「風」吹かないんじゃないか…みたいな雰囲気が永田町の空気だったと思うんですが、ここに来て随分変わりましたね。 (政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏) 変わりましたね。やはり、この減税・給付の話でですね、石破さんが変節した、ブレたということがですね、やはり国民に対して非常に信頼感を失う結果になったんじゃないかと、自民党内からも危惧する声が出ているんですね。なので、先ほど最初にも言ったように、支持政党なしの人が、非常に今、自民・公明の与党に入れ辛い雰囲気になっているんじゃないか…、これによって、やはり50議席というですね勝敗ラインが、今まさに、その分水嶺みたいな状況になってきている。非常に…実はハードルとしては低いと言われていたんだけどれも、本当に今、ギリギリのラインの攻防になっているということになっているんじゃないかと思います。 (津川 祥吾 アンカー) この参議院選挙の後…というものが、永田町ではよく、その後も割と見通した話というのが出てくるんですが、今回、本当に先が見えなくなりますね。 (政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏) そうなんですね。やはり50議席を割り込めば、まず、石破政権自体が倒れてしまう。つまり石破総理大臣が交代する可能性もある。その後、総理大臣が…、では自民・公明から出るのか野党から出るのかさえわからない。その時に政界再編で、いろいろな合従連衡が起こって、保守的な政党ができるのか、それとも自民・立憲大連立みたいなリベラルな政権…石破、野田さんを中心とした政権ができるのか…これによって、でも本当に、国の方向性というのが全く変わっってしまう可能性があるんですね。日米の関税交渉だってやり直しになってしまう可能性もある。いろいろな意味で国の行く末を左右するような結果が、やはり、この参議選挙によってもたらされるということで言えば、本当に有権者のみなさんもですね、緊張感を持って一票を行使してもらいたいと思います。

もっと
Recommendations

松山市マンション遺体 嘱託殺人未遂疑いで妻を逮捕

愛媛県松山市のマンションの部屋で男性が遺体で見つかった事件で、警…

長野県で最大震度1の地震 長野県・麻績村、筑北村

1日午後11時57分ごろ、長野県で最大震度1を観測する地震がありました…

月480円プラスで保存食と地震保険が付帯 中部電力が新料金プラン 9月までは保存食がほぼ倍になる先着キャンペーンも

中部電力は保存食と地震保険をセットにした新しい料金プランを始めま…

裁判所で警察官を殴ったとして男(56)を逮捕 飲酒運転で事故を起こした際に警察官を殴った疑いで逮捕され、勾留請求のため護送中また警察官を殴る

事故の捜査中に警察官を殴ったとして一度逮捕された男が、護送中にも…

<解除>【土砂災害警戒情報】長野県・諏訪市、伊那、茅野市、立科町、長和町など 1日23:20時点

1日午後11時20分、長野県と気象台は、諏訪市、伊那、茅野市、立科町、…

合成麻薬フェンタニル、米国への流入経路封じても「中国が迂回ルート作る可能性」…笹川平和財団・小原氏

早稲田大の中林美恵子教授と笹川平和財団の小原凡司・上席フェロー…

拉致被害者家族ら、国連・北朝鮮人権問題担当者と面会 引き続き協力仰ぎたいと訴え

国連で北朝鮮の人権問題を担当する報告者が拉致被害者家族らと面会し…

立憲・野田代表 「政権を狙う際は他党と政権構想を作ってから」

立憲民主党の野田代表は1日、20日に投開票を迎える参議院選挙をめぐり…

【参院選】無所属で出馬の山尾志桜里氏 国民民主への怒りはゼロ「団体もゼロ、スポンサーもゼロ」

山尾志桜里元衆院議員が1日、都内で参院選東京選挙区(3日公示、…

【JO1・佐藤景瑚】いきなり肉体美披露「毎日トレーニングしてます。アベンジャーズになるため」

JO1の佐藤景瑚さん、霜降り明星のせいやさん、タレントのファーストサ…

loading...