約108万円! 日産の「超コンパクトSUV」がスゴい! トヨタ「ライズ」最大の“ライバル”は全長4m以下の「ちょうどイイサイズ」! 日産復権のキーになりそうな「マグナイト」日本発売に期待大!

俊足「ターボ」モデルもラインナップ  日産がインドなど海外で展開する超コンパクトSUV「マグナイト」は、現地で100万円台からという驚異的な価格と、スーパースポーツ「GT-R」譲りの技術を搭載し、日本でも発売を望む声が多く聞かれます。  はたしてなぜこの魅力的なSUVは日本市場に導入されないのでしょうか。 いまの日産に必要なのは「200万円級のコンパクトSUV」だ! 【画像】超カッコいい! これが日産の「超コンパクトSUV」です! 画像で見る(30枚以上)  マグナイトは、「Magnetic(魅力的な)」と「Ignite(感情を喚起する)」を組み合わせた造語で、顧客を惹きつけ、日産の新しい時代の幕開けを告げるという想いが込められています。  このクルマはもともと、日産が新興市場向けに展開していた超低コストブランド「ダットサン」初のSUVとして開発が進められていました。  しかし開発の最終段階でダットサンブランド自体の終了が決定的となり、ほぼ完成していた車両は急遽、日産ブランドのクルマとして2020年に発表されたという経緯があります。  現在の日産のデザインアイコンである「Vモーショングリル」とは異なる六角形のグリルは、そのダットサン時代の名残です。  エクステリアは日本のデザインチームが主導し、「インドの虎のようなたくましいルックス」を目指して開発されました。スリムなLEDヘッドランプと、牙のようなL字型デイタイムランニングライトが力強い表情を創り出しています。  ボディサイズは全長3994mm×全幅1758mm×全高1572mm。全長を4m未満に抑えることで、インドの税制優遇措置に適合させているのが大きな特徴です。  一方で、ワイドな全幅や205mmの最低地上高により、サイズを超えたSUVらしいマッシブな存在感を放っています。  インテリアでは「見える価値」に重点が置かれ、ワイヤレスのApple CarPlayとAndroid Autoに対応した8インチのタッチスクリーンや、クラスでは画期的とされた7インチのフルTFT液晶メーターを装備。  後席の足元スペースはクラス上の車種に匹敵する広さを確保し、荷室容量も336Lと実用性は十分です。  パワートレインは、1リッターの3気筒エンジンを2種類用意。最高出力72PSの自然吸気エンジンと、最高出力100PSを発揮するターボエンジンが設定されています。トランスミッションは5速MT、5速AMT、そしてCVTを組み合わせています。  特に注目すべきは、ターボエンジンにGT-Rのエンジン製造から生まれた「ミラーボアコーティング」技術が採用されている点です。  ピストンの抵抗を大幅に減らすこの高度な技術が、手頃な価格のコンパクトSUVに搭載されていることは大きな驚きです。  生産はインドのチェンナイ工場に集約され、現在は65以上の市場へ輸出されるグローバルモデルとなっています。  インドでの価格は、エントリーグレードが約61万4000ルピー(約108万円)、最上級グレードでも約117万6000ルピー(約207万円)と、驚異的なコストパフォーマンスを誇ります。  日本でも販売を望む声が多いマグナイト。これほど魅力的なクルマがなぜ日本では販売されないのでしょうか。  そこには、いくつかの壁が存在します。  第一の壁は「先進運転支援システム(ADAS)」です。日本では2021年11月以降の国産新型車に対し、衝突被害軽減ブレーキの搭載が義務化されています。  マグナイトは6つのエアバッグやアラウンドビューモニターを備えるものの、この義務化に対応する緊急ブレーキや、新車ではいまや必需品ともいえる全車速追従型クルーズコントロール(ACC)などのADASは搭載していません。  極限のコスト効率を追求して開発されたプラットフォームに、これらの高度なシステムを後付けで搭載するには、大規模な再設計とコストが必要となり、マグナイトの最大の武器である“低価格”が損なわれる可能性があります。  第二の壁は、日産の国内戦略との「パワートレインの不一致」です。  現在、日産は国内市場においてシリーズハイブリッド「e-POWER」を電動化戦略の中核に据えています。純粋なガソリンエンジン車であるマグナイトを導入することは、この戦略と矛盾してしまうのです。  第三の壁は「価格競争力と収益性」の問題です。仮にADASとe-POWERを搭載し安全基準などを整備した「日本仕様」を開発できたとしても、その価格が300万円を超えてしまっては意味がありません。  200万円以下で購入できるトヨタ「ライズ」などの競合には太刀打ちできず、自社ラインナップ内でも「キックス e-POWER」との競合が生じてしまいます。  そして最後の壁が、日産の「企業としての優先順位」です。  最新の中期経営計画「The Arc」では、日本市場に投入する新型車は、次世代のe-POWER車や電気自動車が中心とされています。  新興市場向けのガソリン車であるマグナイトは、この未来のロードマップには合致しません。  日産がマグナイトを日本で販売しないのは、決してその魅力を見誤っているからではありません。「法規制」「電動化戦略」「収益性」「企業計画」という4つの合理的な理由に基づいた経営判断なのです。  マグナイトは「適切な製品を、適切な市場へ、適切な価格で」という戦略の成功例といえます。  しかし皮肉にも、その成功の理由こそが日本市場に導入できない理由でもあるのです。 ※ ※ ※  現在、国内の日産車において200万円以下で買える乗用車は、軽自動車のみというのが現状です。  コンパクトカーやコンパクトSUVもe-POWERモデルのみで、主に300万円級の価格帯となってしまいます。  ライズのような200万円以下の超低価格は無理かもしれませんが、たとえばトヨタ「ヤリスクロス」(ガソリン車で200万円から250万円級)同等の価格設定が可能ならば、国内では多くの需要が見込めるのは間違いありません。  厳しい経営不振を乗り越えるためにも、日産の英断に期待したいところです。

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