飲食店に架空の予約を入れ、指定業者に高級ワインの仕入れ代を支払わせようとする不審電話が、佐賀県内で確認されている。 県警は複数の事例を把握しており、実際には納入されないワインの仕入れ代を飲食店からだまし取ろうとする詐欺の手口とみて、注意を呼びかけている。 県庁最上階の「さがんれすとらん志乃」によると、６月２６日に「佐藤」と名乗る男から、６人で２７日夜にコース料理（１人あたり税込み１万１０００円）を予約する電話があり、当日の朝にＬＩＮＥで高級ワイン「シャトー・オー・ブリオン」を１本２５万円で４本仕入れるよう依頼された。 男は「病院関係者」と言い、予約は接待名目だった。「お金は後で払う」として仕入れ先のワイン業者とする電話番号を紹介されたが、店側が不審に思って仕入れを断ると、連絡がとれなくなった。予約時間に６人は来店せず、店側は同２８日、佐賀南署に相談した。 首都圏などの飲食店では、予約時に高級ワインを注文され、指定された仕入れ先に代金を支払ったにもかかわらず、ワインが届かずに予約客も来店しない事案が確認されているという。県警は、県内の不審電話も同じ手口で仕入れ代を詐取しようとしていた可能性があるとみている。 志乃の関係者は取材に対し、「ワインの仕入れ代の被害はなかったが、材料費や人件費が高騰する中、準備した料理を無駄にされて悔しい」と話した。
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