柏崎刈羽原発の再稼働の是非について。県民の意見を聞く「公聴会」が29日に初めて開かれました。花角知事が県民の意思を確認する方法と位置付けていた「公聴会」。賛成・反対にとどまらない多様な意見が述べられました。 6月29日、日曜日の県庁で行われたのは… 〈県 森永正幸危機管理監〉 「柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題に関し「公聴会」にご参加いただき誠にありがとうございます」 原発再稼働に関する県民の意見を聞く「公聴会」です。 東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発。政府は先週、原発で原子力災害が起きた際の住民避難などの方針をまとめた「緊急時対応」を了承。「緊急時対応」の策定は再稼働の事実上の条件だったことから、残る焦点は「地元の同意」のみとなっていました。 その「地元の同意」を決める上で、花角知事が県民の意思を確認する方法のひとつとして開いた公聴会。初回の6月29日は柏崎市と刈羽村在住で公募と推薦で選ばれた16人がオンラインで参加し、「公述人」としてさまざまな意見を述べました。 〈再稼働に賛成　柏崎市の男性〉 「原子力発電所の稼働は我が国のエネルギーの安定供給に大きく貢献し世界情勢に左右されない自前のエネルギーとして大変重要であると考えます」 〈再稼働に賛成　刈羽村の男性〉 「厳しく設定された基準をクリアしている国によって認められている原子力発電所ですので早く動かしていただきたいと考えています」 一方で… 〈再稼働に反対　柏崎市の男性〉 「原発と付き合っている限り、公費の無駄遣いが永遠と続く。避難訓練を実行する費用自衛隊、警察のみなさんが動く費用、消防・自治体のみなさんが協力する費用これは誰が払っているのでしょう。東京電力でしょうか。違います。公費です。税金です。私たちです」 〈再稼働に反対　刈羽村の女性〉 「自家用車避難に関して県も渋滞の予測をなさいましたがその対処についてまだ具体的な実現は見えていません。自家用車避難にしろバスの避難にしろ避難の困難さは十分予測されます」 賛成・反対だけでなく、「条件付き」や「疑義がある」と述べる公述人も… 〈再稼働に条件付き賛成　柏崎市の男性〉 「条件付き賛成の意見です。もし原子力発電所を稼働したときに柏崎市・刈羽村の電気が安くなるのであれば賛成」 〈再稼働に疑義あり　柏崎市の男性〉 「私は柏崎刈羽原子力発電所の再稼働について疑義があるという立場です。県知事も県議会も二者択一はなじまないと言われますが再稼働に対し「どちらでもない」となった選択の場合どう判断するのでしょうか」 さまざまな意見が語られた初回の公聴会。この日は出席した16人のうち、賛成7が人、反対が5人、条件付きでの賛成が2、疑義があるが1、明言せずが1の立場の意見が示されました。 公聴会後、報道陣の取材に応じた公述人たちは… 〈再稼働に反対　刈羽村の女性〉 「それぞれの意見についてすべてに知事はきちんと目を通してほしい、目を通すべきではないか」 〈再稼働に条件付き賛成　柏崎市の男性〉 「賛成・反対・興味がないという 選択肢があれば興味がない方が 1番多いかと思います。その興味がない方に関心を持たせるためにこういう提案をした」 再稼働の是非をめぐり県民の受け止めを見極める材料の一つとなる「公聴会」。公聴会は今後、他の地域住民も対象に8月末までにあと4回開かれます。