カブトムシなどの昆虫や里山再生などに関する情報発信を続けている福島県田村市の「昆虫課」が２４日、学校の給食の食べ残しなどの廃棄物を活用してカブトムシを養殖する実証事業を始めると発表した。 夏には、市内に期間限定の昆虫採集場が開設されることも決まった。 実証事業は、キノコ栽培の廃菌床を使ったカブトムシ養殖などを手がける新興企業「ＴＯＭＵＳＨＩ」（秋田県大館市）、観光交流施設「ムシムシランド」を運営する田村市常葉振興公社と市が連携して行う。給食の食べ残しや調理くずを堆肥（たいひ）化したものを幼虫のエサにする。 和種のカブトムシのほか、大型のヘラクレスオオカブトなど外国種も育てて、観光資源などに活用する計画だ。今秋頃から堆肥の原料選定や飼育規模の検討などを始める。 昆虫採集場は、ムシムシランドが旧カブトムシドームの跡地を活用し、ナラやコナラ、クヌギの林約１０００平方メートルを「インセクトフィールド」としてオープンする。２０２３年７月の昆虫課の発足以来、昆虫採集できる場所の問い合わせが多く寄せられていることから整備した。 開設するのは７月１９日〜８月１６日の土曜、祝日の午前８〜９時。予約は不要で、無料で利用できる。自然そのままの状態で開放するため、カブトムシやクワガタが捕れるかは運次第だという。 昆虫課の「カブトン課長」とともに記者会見した白石高司市長は「大阪・関西万博で先日出展したミニカブトムシドームには約５０００人が来場し、昆虫をめでる文化を国内外に発信できた。小さな存在でありながら豊かな自然を象徴する昆虫に関する情報発信に一層取り組みたい」と話した。
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