フジテレビの親会社で株主総会が行われました。新たな経営陣の選任が焦点となる中、社員が逮捕される事態にもなったオンラインカジノ問題への厳しい質問も飛びました。 【写真で見る】「全員選任」フジ提案の新しい経営陣 社長謝罪に「誠意が伝わらない」 社員の逮捕・書類送検にも質問 フジ・メディアHD 金光修社長(退任) 「フジテレビジョンにおける一連の事案により、皆様にご迷惑とご心配をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます」 一部の株主 「誠意が伝わらない」 冒頭からヤジが飛んだフジテレビ親会社の株主総会。 会場には3300人以上の株主が参加したほか、関係が深い堀江貴文氏の姿もありました。 質疑応答では、経営陣への厳しい批判も飛び交ったといいます。 株主(会場内の発言) 「長年にわたりやってきた3〜40年の社歴の方がフジテレビの根底にある『上納』というような極めて深刻な人権侵害にどっぷり染まっていると言わざるを得ないのでは」 さらに、オンラインカジノ問題で、社員が逮捕や書類送検されたことについても質問があったといいます。 捜査関係者によると、常習賭博の疑いで逮捕された鈴木善貴容疑者(44)は「去年9月からの8か月間で、賭け金の総額は3億円くらいだった」などと供述しているということが新たにわかりました。 株主(会場内の発言) 「鈴木容疑者は社内調査に虚偽の説明をした。もう一度再調査を徹底してやって、仮にコンプライアンスに違反しているような従業員がいたら懲戒解雇にするとはっきり明言していただきたい」 フジ・メディアHD 清水賢治専務 「新たな事実が出てきたことにより、改めて厳正な処分を会社としては考えております」 株主として総会に出席していた堀江氏は… 堀江貴文さん 「僕の話も株主の人がしてくれて、堀江さんと連携するつもりはあるのか、協業することはあるのかみたいな、それは『否定しません』と清水さん言ってましたので」 大株主提案は選ばれず 新たな経営陣が選任 一方、最大の焦点は、「新たな経営陣の選任」です。 フジ・メディアHDは、社長候補の清水賢治専務を除いて、これまでの経営陣は全員退任し、11人を取締役候補に提案。賛成多数で全員選任されました。 対する大株主のファンド「ダルトン」は、12人を独自に提案していましたが、ひとりも選ばれませんでした。 結果を受け、大株主「ダルトン」のトップは… ダルトン・インベストメンツ ローゼンワルドCIO 「清水さんと新たな経営陣に感謝し祝福したい」 出席した株主は… 株主 「本当に茶番。トイレのタイルの目地の中にも日枝さんがしみ込んでいるような会社だから、取締役の顔だけ変えて、玄関先だけチャチャっと綺麗にしても、家の中は綺麗にならない」 「株主からの提案や質問に対して、大きな拍手があがったりして、非常に良い総会だったんじゃないかな」 清水社長「暫定政権とか言っている余裕はありません」 株主総会を終え、フジテレビ親会社の新社長に就任した清水氏は… フジ・メディアHD 清水賢治社長 「正直申し上げて、暫定政権とか言っている余裕はありません。この1年間でどこまで本当に変えられるかということをやりきらないことには、今のこの状況を乗り切ることはできないと思っています」 フジテレビへのCMを見合わせている大手スポンサーは、「顔ぶれを代えるのはわかりやすいが、それだけでCM再開は判断できない」と慎重な姿勢を崩していません。 家本賢太郎さん: 株主総会としては、想像通りだったと思っています。 例えば、委任状の争奪戦があるというわけでもなかったなという印象です。 ただ、個人の株主の皆さんが、すごく雨が降った朝に、株主総会に足を運ばれました。 ようやく経営陣が変わって、新しい体制になっていくという意味では、ガバナンスの面はこれからだと思います。もっと言うと、少数株主の人たちの意見をちゃんと聞きながら、新しい一歩を踏んでいってほしいと思います。 ========== <プロフィール> 家本賢太郎さん 15歳で企業 8社を経営し中国でも事業展開 14歳で脳腫瘍に 3年間車いす生活