2008年に劇団カムカムミニキーナの主宰である松村武が脚本、演出、出演を務めた舞台『YooSoRo!〜日本を変えたヤツらを変えたヤツら〜』を、LEGEND STAGE代表の黒谷通生監修のもと、17年ぶりに完全リメイクした舞台、LEGENDSTAGE feat.カムカムミニキーナ『よろしく候〜BOTTOM OF HEART〜』が、6月26日から上演される。今回、主要キャストの松本利夫と今江大地の対談インタビューが実現! 顔を合わせるのは2回目とのことだったが、舞台に向けてのさまざまな思いから近況まで、2人のトークは大いに盛り上がった。 【写真】魅力あふれるソロカットも! 松本利夫&今江大地の撮り下ろし(全8枚) ■幕末を新しい視点で描く ——台本を読んで感じた、作品の印象を聞かせてください。 松本:幕末の時代を描くとなると、歴史的に名高い勝海舟や坂本龍馬の話を描きたくなるはずなのに、偉人たちの裏、1番下にいる人物たちを描くという点に面白みを感じました。時代の原動力となるエンジン部分は、実は今回の“ぼっとん(蒸気船の船底最深部)”で働く6人のような人たちが担っていて、そこが動かなければ時代も動いていかないのだと改めて感じましたし、彼らの「自分たちが時代を切り開いていくんだ」という気概や責任感は現代社会に通じる部分もあるのかなと思います。 今江:僕は演じる役を意識しながら読みましたが、小六たちが働く場所も(エンジン部分のカマなので)暑く、そこに懸ける思いも熱い男たちの集まりやなと感じました。いろいろな出自の人たちが集まって、1つのことに懸けているのがいいなと思いましたね。きっとお芝居の中にはダンスやアクションなど動きがたくさん入って来ると思うのですが(取材は稽古開始前に実施)、そうした動きがどうお芝居とハマっていくのか楽しみです。 松本:前作『YooSoRo!〜日本を変えたヤツらを変えたヤツら〜』の映像を事前にいただいたものの、見ていませんでした。見ると、前作をなぞってしまいそうな気もしたし、逆に松村さんが「なぞってでもいいから、同じことをやってくれ」という方かもしれないので、一度ご本人に確認してみようと思って。お会いした時にお聞きしたら「見なくていい」と言われたので、見ないようにします(笑)。 今江:僕も見ていないので、前作の話が出てちょっと焦りました。見なくてもいいのであれば、よかったです(笑)。 松本:その際、松村さんは「歴史に残るのは偉い人たちだけど、“支え”があったからこそ彼らがある」と、“支え”にフォーカスを当てる面白さについてお話しされていました。刀を交えて戦う幕末ではない、まったく新しい視点で描く幕末の物語というのが本作の魅力かなと思います。 ——松本さんは榎本釜次郎役、今江さんは小六役。自身が演じるキャラクターの印象は? 松本:僕が演じる人物についていろいろ調べてみたのですが、どういう人だったのかという部分がイマイチ見えてこなかったんです。松村さんが「よく分からない人物だったから(作品で)描いてみた」と仰っていて、「なるほど」と思いました。台本に書かれている人物像としては、「真面目で芯があり、曲がったことは我慢できず、すぐ口に出して指摘してしまう」というような昔ながらの男。けれど、動乱の時代を生き抜くためにはどうしたらいいかと考える繊細なところもあって、自分とも少し重なる点があるように思う役柄です。 今江:小六は関西弁を話す関西人です。ビジュアル撮影の時に松村さんとお話しさせていただき、「関西弁しゃべってるな。じゃあ、役も関西弁にするわ」と松村さんが役を僕に寄せてくださったんです。小六はツッコミを入れるセリフがたくさんあり、標準語やと僕がやりづらいからと考慮してくださったのかなと。そのお気遣いがすごくうれしいですし、関西弁やとイントネーションなど普段のしゃべりをそのまま出せるのでやりやすく、ありがたいなと思っています。 小六はすごくケンカっぱやいところが、僕と違いますね。僕はあまりイライラしない性格ですが、小六はめちゃくちゃケンカを売るので(笑)。ただ、外部の人が来たらガッと食ってかかるけど、その分、仲間をすごく大切にしている感じはあるので、ツンデレとまではいかないですが、いいヤツなのかなと思っています。 ——稽古の開始前ですが、本作の魅力はどんなところに出そうだと考えていますか? 松本:僕のイメージだと、セットとしては船底に石炭をくべるボイラーみたいなものがあって、そのワンシーンでやる気がするんですよね。大きな絵変わりはないうえ、暗いと思うんです。 今江:確かに! カマの明かりしかないような感じになりそう。 松本:多少は明かりを入れるにしても、基本的に舞台上は暗めじゃないかなと。そうするとお客さんは眠くなっちゃいそうだから(笑)、歌や踊り、アクションもそうですが、相当テンポのいい会話劇にしないといけないのではないか…と想像しています。 今江:しかも、キャラクター間のやりとりが多いじゃないですか。「船底で働いていた人たちの会話って、こんな感じなんだろうな」というのがリアルに描かれている印象を受けたので、チーム感をどれだけ出せるかが大事になってくる気がしています。仲間意識を自然に持てるように、稽古場で共演者の方々といっぱい話したいなという気持ちですね。LEGEND STAGEはハデなイメージがあるので、ダンスや歌の部分をどう演出するのかも楽しみです。 ■稽古場のイメージは“怖そう” ——キャスト同士の息の合わせ方が大事になってくると思いますが、何か秘訣のようなものはありますか? 松本:舞台は“稽古場でいかに恥をかけるか”だと思うので、「全員、恥をかいていきましょう!」ということですかね。 今江:はい! 松本:恥をかくと安心するじゃないですか。周りが「俺も間違えていいんだ」、「全力でやろう」という気持ちになれる。「恥ずかしい」といった気持ちが出ると全体に伝染しちゃったりするので、みんなでためらうことなく恥をかきながら、作品を築き上げていけたらと思います。 ——松村さんの演出について、どのようなイメージを持っていますか? 松本:怖そうだな、と…(笑)。 今江:そうなんですか!? 松本:いや、分からないよ(笑)。ただ、熱量を込めないと書くことができないような、こういう台本を書かれる方ですから、きっと思いは相当強いだろうなと。そういう意味で「怖そうだな、稽古場」と気を引き締めています。 今江:今、松本さんのお話を聞きながら「(松村さんの演出に)任せよう」と考えていたんですけど…。分からないことが多いので、自分なりに1回やってみてからかな。僕は納得して役を演じたいので、分からないことがあると演出家の方に聞きます。「お芝居はウソをついている」とも言われますが、僕はウソじゃないと思っていて。その場にいる人たちや起きている事柄をどれだけ僕が信じられるかだと思うので、ちゃんと自分が理解していないと芝居ができないんです。ただ難しいのが、分からなくて質問すると「分からないままでいい」とおっしゃる演出家の方もいて…。そうなると、もう自分を信じてやるしかないですが、今回の稽古場では松村さんとたくさんお話ししたいなと思っています。 ——共演が決まる前のお互いの印象、そして会った後の印象はどうでしょう? 松本:まさか、ご本人も関西弁だとは思わなかったです(笑)。 今江:そうですよね。関西人なんです(笑)。 松本:関西の人って温かいイメージがあって、彼にもすごく温かみを感じました。 今江:ありがとうございます! 僕は松本さんというとパフォーマンスされているかっこいいイメージがあるんですけど、優しそうな雰囲気をお持ちの方だなと思いました。 松本:よかった! 今江:あと、おかんから「優しい方だよ」って聞きました。どこで何を見ての情報か分からないですけど言うてました。 松本:あはは! おかんからの情報なんだ(笑)。 ■「ワインエキスパートの勉強を始めました」 ——作品は蒸気船のエンジンの機関部“ぼっとん(BOTTOM)”で働く人たちのエネルギーが、やがて外の世界をも動かしていくというストーリーです。松本さんと今江さんは、“どん底”の状態から何かを得た経験はありますか? 松本:何をもって“どん底”と言うかは人によると思いますが、僕は昔から持病を持っていて、25歳から33歳あたりはとくに病気がキツくてつらい“底辺”の時期でした。その時にメンタル面はとても強くなったかなと思っています。だからこの先に何があっても、強い気持ちではいられるかなと。我慢してしまう、我慢できてしまうというのは、いい面と悪い面がありますけどね。 今江:“どん底”というと難しいですが、しんどかったことでいうと、昔、関西にFunky8というユニットがあり、なにわ男子の藤原丈一郎と大橋和也や、Aぇ! groupの末澤誠也、草間リチャード敬太などと一緒に活動していました。でも、メンバーは分かれることになり、その時は自分のモチベーション的にもしんどかったなと思います。自分は自分で仕事があって居場所があったのに人と比べてしまい、「どうして自分はココなんだろう?」と思ったりしていました。自分のことを見てくれる人がたくさんいたし、その場での幸せもあったから、そこにもっと「ありがとう」という気持ちを持って伝えられていたらよかったなと、振り返って思います。 ——今回演じる役柄は、さまざまな人たちとの出会いをきっかけに、新たな学びを得て成長していきます。人生において、この人と出会えてよかったと思う方は? 松本:それはもう、HIROさんですね。HIROさんしかり、メンバーしかり、「出会いが人生を変えてくれる」という言葉のとおりだなと。僕は自分の実力でというよりも、人との出会いで今こうなれているという気がしていて。メンバーのMAKIDAIとUSAなんて10代からの付き合いで、今もたまに一緒にイベントをやったりしているので、しみじみ「すごいよな」と思います。この間3人で「30年後にこういうことができているって、すごいよね」と言い合いながら、20歳ぐらいの時に撮った写真と同じ構図で撮影してみたんですよ。本当に、出会いに感謝です。 今江:すべての出会いが大切ですが、最近でいうと、4月から担当してくれているマネージャーさんです。これまでがそうでなかったというわけではないのですが、連絡のやり取りや接し方からすごく親身になってくれているのが伝わってきて、本当にありがたいなと思っています。先日、2人で今後の仕事に向けた話をしたんですけど、これからがすごく楽しみになりました。「この仕事をしていてよかった」と改めて思えたので、新しいマネージャーさんに出会えてよかったなと思っています。 ——登場人物たちが、蒸気船を動かすという国にとって新しいことをやっているように、最近チャレンジしたことは? 松本:僕は神奈川の川崎市で市民文化大使をやらせてもらっていて、そこで農家さんと一緒にいろいろな作物を作っています。川崎でワイナリーを運営している方から「松さん、ワイン一緒に作りましょうよ」と誘われて作り始め、そうしたらワインを勉強する流れになり、ワインエキスパートの資格の勉強を去年から始めています。 今江:すごい! 松本:正直、「ちょっと勉強すれば、資格は取れるんじゃないか」と思っていましたが、実際は想像をはるかに超えて大変でした(笑)。ただ、公に言ってしまった手前、なんとしても資格を取らなきゃと勉強を頑張っています。それに知れば知るほど、やっぱり面白くなっていくんです。学びも兼ねてワイン会に顔を出したらそこから新しい広がりができるなど楽しみが増えました。 人間は食べていくために働くわけですが、食べ物を作ってくれる農家さんがいなければ、我々は生きていけない。『よろしく候〜BOTTOM OF HEART〜』でも、船底でカマに火をくべる人たちがいなければ船は進まないわけで、ちょっと通じるところがあるかもしれませんね。 今江:僕は最近、DIYに挑戦しました! WEST.の重岡(大毅)くんが長年使っていた机を僕にくれるということで譲っていただくにあたり、一緒にキレイにしようという話になって、ワックスをつけたりして磨いたんです。そういうことをするのは初めてやったんですけど、ちょっと汚れていたものが磨くと見違えるほどキレイになる。「こんなにキレイになるんや」という体験ができて、すごく楽しかったです! ——DIYで作ってみたいものはありますか? 今江:近頃は読書が好きで、でも本棚が自宅にないので、作ってみたいなと思っています。 松本:本棚か…。簡単にはいかないかもね。板を買ってきて、そのサイズに切って。僕もDIYはけっこうやるので。 今江:へぇー! 松本:本棚は、引き出しとか動くものを作るわけじゃないから確かに段階としてはラクな方だけど、正確に採寸して材木を切らないと、上手くいかないから。 今江:そうなんや。今度、詳しく教えてもらいたいです(笑)! ——改めて、舞台への意気込みをお願いします。 松本:せっかく舞台をやらせていただくので、熱いものを届けたいなと思っています。暑い場所で、熱い男たちが新時代を切り開いていこうとする姿は現代の人たちにも響くものがたくさんあると思うので、なにか1つでも持ち帰っていただけたら。ぜひ、劇場に遊びに来てください。 今江:一生懸命に生きている人たちを描いている作品で、僕も本当に一生懸命取り組みたいと思っております。舞台をご覧になったお客様にとって、何か得るものがあればうれしいです。舞台、楽しみです! (取材・文:木下千寿 写真:米玉利朋子[G.P.FLAG inc]) LEGENDSTAGE feat.カムカムミニキーナ『よろしく候〜BOTTOM OF HEART〜』は、東京・シアター1010にて6月26日〜6月30日まで上演。
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