柏崎刈羽原発をめぐって方針の転換です。東京電力は6、7号機のうち6号機の再稼働を優先すると発表しました。 7号機は早期の再稼働を断念する結果に。核燃料を再び取り出すことも検討されていて、規制庁は異例の対応だと指摘しています。 6月25日に行われた会見。柏崎刈羽原発の稲垣武之所長は再稼働をめぐって方針の転換を発表しました。 〈柏崎刈羽原発　稲垣武之所長〉 「特重(テロ対策施設の設置)期限を踏まえると、今後の準備を踏まえると7号機は厳しい。6号機の起動準備にリソースを集中するというのが今回の私の判断でございます」 東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発。7号機をめぐってはすでに技術的な準備が整う一方、テロ対策施設の完成が4年後を予定しています。 設置期限がことし10月に迫っていて、期限を過ぎると仮に再稼働していても停止しなければなりません。 一方の6号機。6月21日に原子炉に核燃料を入れる「燃料装荷」を完了。ことし8月頃には技術的な準備が整う見込みです。さらに6号機のテロ対策施設は設置期限は2029年9月と4年以上先で時間的な猶予があります。 〈柏崎刈羽原発　稲垣武之所長〉 「14年以上プラントを止めてきておりますので、確実にひとつひとつチェックをしながら起動操作を行いたいと思っていますのでそういう意味でもより一層マンパワーをかけて起動してまいりたい」 6号機に注力する考えを示したうえで… 〈柏崎刈羽原発　稲垣武之所長〉 「7号機長期に停止が続くと考えておりますので、管理を一括化する観点から今後使用済み燃料プールに戻すことも検討してまいりたい」 7号機の原子炉内に入れた核燃料について燃料プールに再び戻すことも検討しているといいます。 この東京電力の方針転換に規制委員会のトップは。 〈原子力規制員会　山中伸介委員長〉 「炉の中に燃料集合体があることで一定程度のリスクはございますのでできれば使用済み燃料プールに移動していただくのがよかろうと考えているところです」 事務局の規制庁によりますと「原子炉に入れた核燃料を使わずに取り出すのは異例の対応」だということです。