高級マンションで個人情報が流出…85歳男性が「信頼した隣人」に財産を奪われるまで

高級マンションで起こった住民トラブル 自らの所有する不動産が、信用していた“隣人”に乗っ取られ売られていたーー。市場価格8000万円ほどの都心のマンションで、高齢者を狙った信じがたいトラブルが起こっている。 渦中の物件は広さ60平米から80平米ほど。1LDKや2SLDKなど、さまざまな部屋タイプがあり、広い共有スペースには和室やもてなし用のキッチンまで設えた、築40年ほどの高級ブランドマンションだ。 現在、このマンションに住むのは70歳以上が約半数と高齢者が多く、マンション内で葬儀が行えるという触れ込みで当時から人気だったという。 読者のなかには「なぜ、マンション内で葬儀?」と思う方もいるだろうが、マンションがまだこれほど多く市場に出回る前は、戸建てに住む人がほとんどで、葬儀も祭儀場ではなく自宅で執り行うのが一般的だった。 1956年に大阪で日本初の公団が、1964年の東京オリンピック時には第1次マンションブームが起こり需要が増加。戸建てに比べて狭いスペースでは参列者が入りきらないため、一部の高級マンションでは葬儀も行える共有スペースを設けていたわけだ。 当時は管理規約にも「慶弔規定」を設け、男性は受付、女性は割烹着姿でお茶をふるまうなど、まさに「マンションの行事」として住民が一体となって故人を送り出していた。 しかし、時代の変化とともに祭儀場も増え始め、このマンションでは慶弔規定を削除。個人情報保護やプライバシーの観点から、住人同士の「家族ぐるみ」が「隣人や顔見知り」といった付き合いの形が変化したところで、今回のトラブルは起こった。 「互助精神」に安心しきっていた 今回、取材に協力してくれたマンションへのデメリットを避けるため、場所や人物の特定は避けるが、今回トラブルの被害にあったAさん(85)は、長年勤めた会社を退職後、このマンションを購入し、妻とペットの飼い犬とともに引っ越してきた男性だ。 ふたりの間に子供はおらず、移り住んでしばらくは妻と3人で不自由のない緩やかな老後を暮らしていたが、数年後に妻が他界。身寄りのないAさんは、居住者同士のクラブ・サークル活動が盛んなことや、“互助精神”が働いていたこと、災害時の避難行動要支援名簿に氏名や部屋番号などが登録されたことも、ここで暮らす安心要素だったと振り返る。 こういった良好な住環境から、マンション管理組合の理事会も、高齢者支援は居住者があくまで近所づきあいの延長として活動する、「見守り隊」を男女10名で構成し、その活動資金として行政から月にいくらかの支援金が降りていたという。 Aさんの個人情報が登録された避難行動要支援名簿は、当然プライバシーを尊重する決まりとなっており、そのマンションでも規定に基づいて厳重に名簿を管理していたと理事長は話す。しかし、いつの間にか名簿のコピーが流出し「見守り隊」の幹部に渡っていたことで事態が暗転する。 その詳細はつづきの<信じた“隣人”に裏切られた…都内の高級マンションで起きた、高齢者「財産乗っ取り」の全貌>で明かす。 【つづきを読む】信じた“隣人”に裏切られた…都内の高級マンションで起きた、高齢者「財産乗っ取り」の全貌

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