なぜ「高齢者の暴走事故」は発生する?傾向と未然に防ぐ「対策」とは

75歳以上の高齢運転者による死亡事故で多い要因「操作不適」とは  最近、高齢者の運転するクルマが暴走して大きな事故に発展する事例が相次いでいます。  では高齢者の運転で特に注意すべきなのは、一体どのような点なのでしょうか。 [画像は本文中の事故とは無関係です/イメージPhoto:PIXTA] 【動画】「えっ…」 これが「ノーブレーキ激突」大事故の瞬間です  2025年6月17日の午前11時頃、長野県長野市のスーパーの駐車場において、91歳の男性が運転するクルマが店舗の壁に衝突し、助手席に乗っていた84歳の妻が死亡しました。  警察は、男性がスーパーの駐車場から出ようとした際にブレーキとアクセルを踏み間違えた可能性があるとして事故の詳しい状況を調べています。  また同日午後5時頃には、山口県山口市にある商業施設の駐車場で80代の男性が運転するクルマが車止めを乗り越えて買い物客2人をはねる事故も発生しました。  この事故で20代の女性と30代の男性がクルマと店舗の間に挟まれるなどしてケガをし、病院に搬送されており、こちらも運転手がブレーキとアクセルを踏み間違えたものとみられます。  このように最近は高齢運転者による重大事故が相次いでおり、大きな議論を呼んでいます。  警察庁の統計によると、75歳以上の高齢運転者による死亡事故は近年増加傾向にあり、免許保有者あたりでは75歳未満の運転者による事故の約2倍も発生しています。  高齢運転者の事故防止対策は急務といえますが、特に注意すべきなのは、一体どのような点なのでしょうか。  まず上記のブレーキとアクセルの踏み間違い事故のように、高齢運転者に多い運転ミスの一つがクルマの「操作不適」です。  警察庁によると2023年中、75歳以上の高齢運転者による死亡事故の人的要因として、クルマの操作不適は全体の27.6%と最も高く、中でもハンドルの操作不適とブレーキ・アクセルの踏み間違いが多い状況にあります。  個人差はあるものの、一般的に高齢運転者は瞬間的な判断能力や反応速度などが低下する傾向にあり、とっさのハンドル操作やブレーキ操作を誤ってしまうケースが少なくないといえるでしょう。  とりわけ交差点に進入・右左折をするとき、駐車場から出ようとするときなどは事故が発生しやすいことから、慌てず落ち着いた運転が求められます。 夕暮れの時間帯は特に注意が必要  とはいえ、運転者本人の心がけだけでは事故を防止することはできません。  衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時の急発進抑制装置など、安全運転を支援する機能を搭載した「サポートカー」(サポカー)の利用を検討することも重要です。 視界が徐々に悪くなる「薄暮」の運転は事故も多く、高齢者のみならず特に注意が必要な時間帯です[イメージPhoto:PIXTA]  さらに高齢運転者は「薄暮時間帯の運転」にも注意が必要です。  薄暮時間帯とは日の入り時刻の前後1時間のことをいい、一般的に17時〜19時頃を指します。  薄暮時間帯は周囲の視界が徐々に悪くなるため、クルマや自転車、歩行者などの発見がお互いに遅れて事故につながる危険性があります。  特に高齢者は加齢によって夜間視力が低下するほか、明るい場所から暗い場所に移動した際に目が慣れて見えるようになる「暗順応」にも時間がかかります。  加えて、白内障や緑内障など目の病気によって周囲が見えづらくなるケースもあることから、薄暮時には早めにライトを点灯する、夕方〜夜間の運転を控えるといった対策を講じるべきといえるでしょう。  高齢運転者による重大事故に関してはインターネット上で「やはり免許の上限年齢を設けるべきだと思う」「70才以上のドライバーには、踏み間違いのリスクがわかる試験を導入して欲しいですね」「クルマがないと生活できない地方も多いから難しい問題」など、さまざまな声が寄せられています。  また事故を防止する具体的な対策として「私の住んでいる自治体は65歳以上の人は申請するとタクシー無料券がもらえます。全国でこの政策が進むことを望みます」「後付けでクルマに安全支援機能を付けてはどうか」「自動運転を普及させるべき」といった意見が聞かれました。 ※ ※ ※  高齢になると、若い世代と比べて運転時の状況判断能力や認知機能などが低下し、結果として重大事故につながるおそれがあります。  高齢者による事故防止対策の一つとして運転免許の返納が挙げられますが、その効果は限定的であり、今後も社会全体で対策を考えていくことが重要です。

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