三菱UFJ銀行は23日、同行新潟支店の60代の元男性行員が架空の金融商品を提案したうえ、新潟支店名で偽造した預り証書を発行し、個人の顧客から現金約4000万円をだましとっていた事案があったと発表しました。 三菱UFJ銀行によりますと被害金額は3984万6,769円で、この元行員は6月23日に新潟地方検察庁に有印私文書偽造・同行使罪で起訴されました。 元行員は1995年から2021年2月まで支店の店頭庶務担当として新潟支店に勤務していた60代の男性で、事案が発覚した当時はすでに定年退職していたということです。 2024年8月に客からの現金搾取の事案が発覚した後、銀行は同年11月に刑事告訴を行っていました。 元行員は2007年6月から2016年9月までに、新潟支店の個人の顧客1人に対し店舗外で架空の金融商品を提案し、複数回にわたり客から現金をだまし取っていました。その後、2020年7月に新潟支店名の印鑑を捺印するなどして偽造した預り証書を客に交付し、正規の金融商品であると装ったということです。 被害にあった客に対しては三菱UFJ銀行が元行員に代わりことし4月に補償したということです。 これまでの三菱UFJ銀行の内部調査などによると被害にあった顧客は1人のみで、預り証書の偽造に使われた印鑑について三菱UFJ銀行は、管理態勢・チェック手続きはあったものの、その運用が徹底されていなかった、外出機会のある店頭庶務担当に対する動態管理やモニタリングについて一部不十分な点もあったとして今回の事案に至ったといいます。 三菱UFJ銀行は同様の被害が発生しないよう、管理手続きの運用徹底やモニタリング態勢の強化など再発防止策を実施しているとし信頼回復に努めるとしています。