今回の都議選には、42の選挙区、定数127に対し平成以降最多となる295人が立候補しました。都庁記者クラブから中継です。 小池知事は、今のところ、公の場には姿を見せていません。知事に近い関係者によりますと、22日は取材対応する予定はないということで、別の関係者も知事は自宅で開票結果を見守っているのではないかと話していました。 今回、都議選の取材を通して感じたことは、議員を選ぶ選挙ですが、「やはり陰の主役は小池知事だった」ということです。 小池知事は13日の告示以降、連日、都民ファーストの会の候補者の応援に積極的に入り、公表されているだけでも40回ほど登壇していました。 前回の都議選で、小池知事は、コロナと東京オリンピックの対応などが重なり、過労で入院しましたが、選挙戦最終日に都民ファーストの応援に入ったことで議席獲得を強く後押したということがありましたので、今回の出口調査などを見ても“小池効果”は。あったと言えます。 また、小池知事は今回、公明党の応援にも駆け回り、さらに、選挙戦最終日の21日は、都民ファーストの応援の合間を縫って、自民党の2人の候補者の事務所を訪れ、激励を送りました。 ——なぜ、小池知事は3党の応援に、こんなにも力を入れるのでしょうか？ それは、小池知事を支持する自民党、都民ファーストの会、公明党の「知事与党」を維持、拡大するためです。都民ファーストと公明への応援だけかと思いきや、政治とカネの問題などで苦戦する自民党へも与党の一角として、配慮を忘れませんでした。 現在、都議会第一党の自民党ですが、幹部に話を聞いたところ「過去の選挙と比べると風が吹いていない。第一党は厳しいかも」と苦しい表情をにじませていました。 ただ、争点の一つである政治とカネの問題について、不記載があった複数の候補者を取材したところ、有権者から政治とカネについて言われたことはなかったそうです。 それよりも、米の価格に関する声が多く、知名度と発信力がある小泉農水相も候補者の応援に入って、多くの有権者が集まっていましたので、あとは浮動票がどう動くかを気にしているということでした。 ——一方で、小池知事と都政に批判的な野党の動きは、どうだったんでしょうか？ 野党第一党である共産党ですが、選対本部の関係者は演説での有権者の反応が良く、どの選挙区も手応えがあるとして、現有19議席を守った上で、さらに議席を増やしていきたいと話していました。 また、立憲民主党の幹部は「街なかで小池都政を支持する都民が多くいると実感した」と話す一方で、税金の無駄使いや自民党の政治とカネの問題を訴え続け、知事与党の過半数割れを目指すという目標は変わらないとしています。