【ニューヨーク＝金子靖志】トランプ米政権によるハーバード大の留学生受け入れ停止措置を巡る問題で、マサチューセッツ州の連邦地裁は２０日、合法性を審理している間は政権の措置を差し止める判断を下した。 大学側が先月、政権の措置は違法だとして提訴し、連邦地裁はこれまで一時的な差し止め命令を出していた。今回の判断により、同大は当面の間、留学生の受け入れが可能となる見通しだ。 連邦地裁のアリソン・バロウズ判事は、ハーバード大の留学生の受け入れに関して、「政府はいかなる強制力も行使できない」と指摘。政権に対し、在外公館や入国管理当局向けに「停止措置を無視するよう指示を出す」ことを命じた。 同大を巡っては、イスラエルへの抗議デモを黙認し、「反ユダヤ主義を助長した」と政権が批判し、圧力を強めてきた。今月４日には、トランプ大統領が同大の新規留学生の入国を停止する布告にも署名していた。ただ、この布告についても大学側が「違憲だ」と提訴し、連邦地裁が５日に一時差し止め命令を出している。 一方、トランプ氏は２０日、自身のＳＮＳ「トゥルース・ソーシャル」に、政権が要求する反ユダヤ主義対策などを巡って「大学側が極めて適切な対応を示し、正しいことをすることに尽力しているように見える」と投稿。「１週間ほどで和解が発表される可能性が非常に高い」と主張しており、事態が収拾に向かう可能性も出てきているようだ。
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