【ロンドン＝蒔田一彦、テヘラン＝吉形祐司】英独仏と欧州連合（ＥＵ）の外相は２０日、スイスのジュネーブで、イランのアッバス・アラグチ外相と会談した。 対話の継続では一致したものの、イラン側は「イスラエルが攻撃を続ける限り、我々は誰とも交渉しない」との主張を繰り返し、核開発や停戦に関して大きな進展はなかった模様だ。 イスラエルとイランの交戦開始後、米欧側とイラン高官による対面協議は初めて。ＡＰ通信によると、協議は約３時間半行われた。欧州側の４氏は協議後に発表した共同声明で、全ての当事者に対して自制を求めた。イランの核開発に対する懸念を示した上で、「イランの核問題や更に広範な問題について協議を継続する意思がある」として対話による解決を訴えた。 欧州側は米国のトランプ大統領が軍事介入を判断する期限として示した２週間以内に、外交による事態打開に道筋をつけたい考えだ。前日にワシントンでルビオ米国務長官と会談したデビッド・ラミー英外相は２０日の協議後、「イランが米国との対話を続けるよう求める」と記者団に述べた。 一方、アラグチ氏は協議後のＳＮＳへの投稿で、英独仏やＥＵとの枠組みで近く再協議する用意があるとしつつ、イスラエルの攻撃を止めることが交渉入りの前提条件だとの認識を改めて示した。イラン側は欧州との協議を核問題などに限定したものと位置づけており、停戦に向けたイスラエルや米国との交渉につなげたい欧州側の思惑とのズレが浮き彫りとなっている。
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