２２日に投開票される東京都議選で、各選挙管理委員会が投票率向上に向けた取り組みを進めている。 　前回２０２１年選の投票率は過去２番目に低い４２・３９％にとどまっており、今回選への関心を高めようと、投票率が伸び悩む若年層をターゲットにした試みや、一風変わった銭湯での啓発イベントなどが行われている。（青木聡志、石井恭平） 　昨年の都知事選が２３区内でワーストだった足立区。２０歳代が３９・７６％にとどまるなど、特に若年層の投票率が伸び悩んでおり、一人でも多くの若者に投票してもらおうと、区選挙管理委員会は今回の都議選で初めて投票した人に「初投票記念証」を配布している。 　区選管は都議選に合わせてデザインを一新。葛飾北斎が描いた「冨嶽三十六景　武州千住」と、約６０年前に解体され、「お化け煙突」と言われた千住地域の千住火力発電所の煙突を撮影した写真をあしらった２種類を制作した。 　２種の記念証は各１万枚発行し、期日前投票所でも配布している。１８日に区役所へ初めて投票に訪れた同区の高校３年生（１８）は、幼い頃から「大人になったら選挙に参加するもの」と母から教えられていたといい、「記念証をもらえて、大人になった節目のように感じてうれしい。同級生にも記念証がもらえることを伝えてみようかな」と話していた。 　区選管は若年層向けの啓発広告を動画投稿サイトで流すなどしており、依田保事務局長は「都議選は東京の未来を決める選挙。自分たちの未来は自分で決める思いで投票に参加してほしい」と呼びかけている。 ◇ 　一方、都選管は都内６１の銭湯と協力し、「東京都議会議員銭湯」と銘打った周知イベントを実施しており、１９日からは利用客に啓発用手ぬぐいなどの配布も始まった。 　台東区の「萩の湯」では、浴場内や脱衣所などにイベントのステッカーが貼られているほか、壁にも「想（おも）いがととのったら選挙へ行こう！」などと記された啓発ポスターが掲げられている。 　萩の湯ではさらに、投票に行く時間などの質問について、飲み終わった牛乳瓶を置くことで回答する「牛乳瓶投票」のコーナーも設置。運営会社代表の長沼雄三さん（４８）は「選挙とタイアップしたイベントは初めて。２２日が投票日ということを知らない人もいると思うので、少しでも投票に結びつけば」と期待する。入浴した男性客は「２２日の投票日に投票に行きたい」と話していた。