【解説】「衆参ダブル選挙」なら39年ぶりも…なくなったワケ 舞台裏で何が

39年ぶりの異例の展開となるかと国会は緊迫しましたが、19日、立憲民主党の野田代表は、石破内閣に対する内閣不信任決議案の提出を見送りました。一体、何があったのか、日本テレビ政治部・官邸キャップの平本典昭記者が解説します。      ◇ 衆議院と参議院のダブル選挙となれば、39年ぶりの事態となります。どうなるのかと注目されていましたが、その可能性は19日、消えました。立憲民主党の野田代表が、石破内閣への不信任案の提出を見送ったからです。 ——不信任案を提出しないことでなぜ、ダブル選挙が消えたのか、そしてなぜ、見送ったのでしょうか? なぜ、ダブル選挙が消えたのか、それは不信任案を提出すれば石破首相が衆院を解散し、総選挙を行うと周辺に言っていたからです。その見送りで、衆議院と参議院とのダブル選挙も同時になくなったワケです。 提出を見送った理由は主に2つです。野田代表は会見で、アメリカとの関税交渉のなかで「交渉の足を引っ張りたくない」、中東情勢が緊迫化するなかで「危機管理上、政治空白をつくるべきでない」と説明しました。 「石破政権の足を引っ張るのでなく、しっかりやれよとお尻をたたくのが責任ある態度だ」と野田代表らしいワードチョイスで説明しました。 ただ、取材をしていると「裏の理由」も聞こえてきました。 ある野田代表の側近議員は「ダブル選挙になると、候補者もそろっていてお金も多くある自民党に優位」と話しています。つまり衆院選を「回避」するのが「裏の理由」です。選挙を回避する、つまり弱腰だとみられることを気にしているな、と感じたワンシーンがありました。 ——弱腰批判をどう受け止める? 立憲民主党 野田代表 「いまの国益を考えた判断を弱腰と呼ぶのかどうか、逆にお聞きしたいですね。弱腰じゃないでしょ、それは。責任ある態度じゃありませんか」 野田代表がめずらしく「逆ギレ」したなと思いました。ある立憲幹部は提出すべき理由について「東京都議選、参院選を控えるなかで対決姿勢を強めるべき」と話していました。党内には主戦論も根強かったため、「弱腰」とみられることを避けたかったと言えます。 この決断に対して、国民民主党の玉木代表は「拍子抜けした、もっと戦うべきだと思った」と批判しています。 今回の決断が「責任ある態度」か「弱腰」か、どう受け止められるか、立憲民主党に対する評価に影響が出てきそうです。 (6月19日放送『news zero』より)

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