【ワシントン＝阿部真司、カイロ＝西田道成】米国のトランプ大統領は１７日、ホワイトハウスで重要な軍事・外交政策を議論する国家安全保障会議（ＮＳＣ）を開いた。 イスラエルと交戦するイランへの対応を協議したとみられる。トランプ氏はイランの核開発阻止に向け圧力を強めており、自身のＳＮＳでイランに「無条件降伏」を求めた。 ホワイトハウスによると、会議は約１時間２０分続いた。トランプ政権はイランの核兵器保有を認めない姿勢を貫いている。米軍によるイランへの攻撃を含めた選択肢を検討した可能性がある。米ニュースサイト・アクシオスによると、米国はイランに核開発と停戦に関する高官協議を週内に行うよう提案している。 トランプ氏は１７日、会議前に投稿したＳＮＳで、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師の居場所を正確に把握していると主張した。「現時点では彼を排除するつもりはない」と明言したが、「我々の忍耐は限界に近づいている」と警告した。ハメネイ師は１８日に発表したビデオメッセージで「戦争の強要も平和の強要も断固拒否する」と述べた。 トランプ氏は１７日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との電話会談も行った。今後の対応を協議したとみられる。 イスラエルは米側に、地下を貫通する重さ１４トンの大型爆弾「バンカーバスター」の使用を求めているとされる。イランの地下深くにあるウラン濃縮施設を攻撃するためだ。イスラエルの現有戦力では攻撃の効果が限られていた。アクシオスによると、トランプ氏は使用を「真剣に検討している」という。米軍は中東での態勢強化を進めている。 １８日も交戦が続き、イスラエル軍は１７日夜〜１８日朝に５０機以上の戦闘機がテヘランに向かい、ウラン濃縮に必要な遠心分離器の製造施設などを攻撃したと発表した。イラン国営通信によると、精鋭軍事組織「革命防衛隊」は１８日、極超音速ミサイルと主張する「ファッターハ」をイスラエルに向けて発射したと明らかにした。
