大型トラック「謎の“部屋”」見たことある? 狭そうだけど…内部はどうなっているの? 実は「ドライバーの超過酷勤務」を支える「命の部屋」だった どんな構造なのか

見たことある? 窓付きの「謎の部屋」  ふと大型トラックを見たときに、屋根の部分に小窓がついた「謎の部屋」があるのに気づきます。  一体どんな部屋なのでしょうか。また、何のために存在しているのでしょうか。 大型トラックの「小部屋」どうなっている!? 【画像】「すげぇぇ…!」 これが大型トラック「謎の部屋の“内部”」です! 画像で見る(30枚以上)  日本の物流を支えるトラックですが、まずその構造は2つで構成されます。  ひとつが「シャシ」で、トラックの底部にあるはしご状の枠でできた骨格部です。ここにエンジンや車軸などが載っています。  荷台はシャシの後ろに取り付け、上が開いている平ボディの荷台のほかに、アルミの箱が付いたパネルバン、荷台が傾いて土砂を積めるダンプなどがあります。  そして運転部分が付く箱の部分は「キャブ」といいます。この下にエンジンが載っており、キャブを持ち上げることでシャシ前部とエンジンが出てきます。  さて、謎の部屋があるのはこのキャブの上部です。屋根が高くなっており、商用バンのハイルーフ車のようになっています。  この部屋の正体は「トラックドライバーの休憩スペース(寝床)」です。  トラックドライバーは数百キロから1000キロ以上という超長距離を走らなければなりません。ただし、全く眠らずに走ると途中で眠くなってしまい、事故が起きたり、そもそもドライバーの健康によくありません。  一方、荷物の運搬は時間をぴったり守らなくてはならず、また大きなトラックを停め置く場所もないことから、どこかそのへんのホテルでゆっくり泊まるということはできません。  そのため、ちょっとした時間を見つけて、SAやPAなどでトラックの車内で休憩することが必要になります。  ただし、トラックは荷物を積むことが前提のため、荷台のスペースは極力大きくする必要があります。  そこで、キャブの上に休憩スペースを設けて、ゆったり寝られるようになっているのです。  この休憩スペースは、キャブの後部を延長し、運転席の後ろにベッドを設けたものもありますが、キャブの上ではエンジンから遠ざかるため、振動や音、エンジンの熱が伝わりにくいというメリットがあります。  各社の大型トラックでは独自に名称を定めており、三菱ふそうでは「スーパーマルチルーフ」、いすゞは「マキシルーフ」、日野は「スーパーハイルーフ」という名称で展開しています。  三菱ふそうのスーパーマルチルーフは、2001年に大型トラック「スーパーグレート(ショートキャブ車)」にオプションで初設定しました。蓄冷式クーラーも設置され、エンジン停止時でも快適に休憩できるようになっています。  部屋のサイズは、全長1940mm×全幅970mm×全高740mm。簡易的なテーブルや雑誌などを収納できるネット、陽の光を取り入れることが可能な開閉式の小窓も設けられ、換気することも可能です。  また、ボディとルーフを一体化したデザインにすることで無駄の無い空気の流れを生み出し、燃費の向上にも貢献しています。  いすゞのマキシルーフは大型トラック「ギガ」に設定されており、部屋のサイズは全長1985mm×全幅1025mm×全高865mm。読書やスマホなどの充電ができるよう、室内灯やコンセントも採用しています。  さらに、トラックメーカー本体だけでなくボディ仮装メーカーも、こうしたキャブ空間を拡張できるルーフを展開。  三菱ふそうトラック・バスの子会社であるパブコは、スーパーグレートのショートキャブ仕様用マルチルーフ「CABUTO」を展開。  FRP製のCABUTOはキャブのルーフを切断加工して取り付けるもので、サイズは全長1920mm×全幅985mm×全高755mmというシングルベッドと同等の大きさを確保しています。 ※ ※ ※  トラックドライバーにとって必需品ともいえる謎の部屋ですが、本来の寝床として使うだけでなく、自分のお気に入りのアイテムを置いたり、趣味の小物を置くなど、自分の部屋のようにアレンジして使う人もいるようです。  あるいはトラックのメンテナンス用品や仕事道具などを置く収納スペースとして活用するという人もいるのだとか。  長距離・長時間を過ごす過酷な勤務であるからこそ、部屋は自分のトラックドライバーライフにあった使い方で、上手に使いこなしているようです。

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