【ワシントン＝阿部真司】米国のトランプ大統領は１７日、ホワイトハウスで国家安全保障会議（ＮＳＣ）を開いた。 　イスラエルと交戦するイランへの対応を協議したとみられる。トランプ氏は同日、自身のＳＮＳにイランに対し「無条件降伏」を求める投稿を行い、イラン核開発の阻止に向けて圧力を強めた。 　ホワイトハウスによると、会合は約１時間２０分続いた。トランプ政権はイランの核兵器保有を認めない姿勢を貫いている。イランによる核開発放棄に向け、外交的な交渉に加え、米軍によるイラン攻撃を含めた選択肢も検討した可能性がある。 　トランプ氏が１７日、会合に先立ち投稿したＳＮＳでは、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師の居場所を「正確に知っている」と主張。「少なくとも現時点では、彼（ハメネイ師）を排除（殺害）するつもりはない」と指摘するとともに、「我々の忍耐は限界に近づいている」と警告した。「イラン上空を全面的に制圧した」とも強調して無条件降伏を迫った。 　トランプ氏は同日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との電話会談も行った。詳細は不明だが、今後の対応を話し合ったとみられる。 　イスラエルは米側に、米軍の「バンカーバスター」と呼ばれる大型爆弾の使用を求めているとされる。地下を貫通する爆弾で、イスラエルだけではイランの地下深くにあるウラン濃縮工場への攻撃の効果が限られているためだ。米ニュースサイト・アクシオスは同日、トランプ氏が使用を「真剣に検討している」と伝えた。 　一方、米軍は中東での態勢強化を進めている。中東に駐留する米軍の防衛を強化するとともに、イランに圧力を加える狙いがありそうだ。 　ロイター通信は同日、最新鋭ステルス戦闘機「Ｆ３５」などが中東へ新たに配備される予定だと報じた。１６日には、南シナ海から米原子力空母ニミッツが中東に航行を開始したことが明らかになった。米紙ワシントン・ポストによると、地中海に配備されている米軍の駆逐艦３隻のうち１隻がイスラエルに近い地中海東部に移動した。